DNA Answer27 できるところから始める支援

発達障害児の支援は、医療の範疇や福祉の範疇、行政の範疇から発達障害児の保護者による日々の支援まで、さまざまな支援があって成り立っています。どれが重要とランクをつけるのではなくて、すべてが必要で、どれが欠けてもうまくはいかないのですが、まだ追いついていない部分があるのは事実です。

発達障害児は発達障害があることを除けば、定型発達(発達障害ではない)と同じはずです。ところが、発達障害児を特別扱いするような社会的な風潮があると、発達障害と他の障害が重なって現れているような扱いをされることにもなります。発達障害は生まれつきの脳機能の特性(発達の凹凸)であって、知的障害がない状態を指しています。知的障害と混同もしくは勘違いしている例も多いのです。

発達障害の改善は、子どもの発育を年齢相応に進めることが大切で、脳機能に必要な運動や生活習慣、栄養などは的確に対処する必要があります。それらのことは専門家の支援のもとに、毎日続けられるべきもので、家庭にいる時間が最も長いだけに、家族ができることこそが最も重要といえます。

発達障害児は発達障害の特性から食べられないものがあり、それを改善することで通常の栄養摂取による成長が期待されます。それが保持されていれば定型発達の子どもと同じように発育できると考える向きもあります。

しかし、発達障害があると脳への負荷が強く、それを改善するための神経伝達物質が不足していることが多く、その影響で自律神経の調整が乱れるようになります。自律神経は消化、吸収、循環、代謝、排泄と食に関わる一連の流れを調整しているだけに、その乱れは身体の栄養状態に大きく影響するという困った循環を引き起こすことになります。

だからこそ、私たちは家族ができるところからの支援ということで、それを支える専門家のDNA資格認定者を養成しているのです。
〔発達栄養指南:小林正人〕