Medical Diet145 糖質で脂肪代謝のエネルギーを作る

血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが多く分泌されます。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませるホルモンとして知られています。ちなみに、血糖は血液中のブドウ糖のことで、ブドウ糖以外の糖(果糖や乳糖など)が血液中で増えても血糖値が上昇しないのは当たり前のことです。

糖質は胃で消化されるまでの時間が短くて、ブドウ糖に分解されてからも素早く吸収されます。そして、血液中のブドウ糖が多くなるとインスリンが分泌されて細胞、中でも骨格筋に多くのブドウ糖が吸収されます。そして、ブドウ糖が細胞内ですぐにエネルギー化されます。

このブドウ糖によって細胞内で発生したエネルギーは、いわば導火線のようなものです。ブドウ糖が変化して発生したエネルギーを使って、細胞の中では次に取り込まれた脂肪酸をエネルギー化しています。同じ重量でもブドウ糖と脂肪酸では2倍以上(2.25倍)のエネルギー量の違いがあります。1gあたりではブドウ糖は約4kcalなのに対して、ブドウ糖は約9kcalのエネルギー量となっています。

エネルギー量が多ければ、それだけ多くのエネルギー代謝が起こり、そして細胞の生化学反応が進みやすくなります。細胞を正常に働かせるためには、ブドウ糖が必要になるということです。

ブドウ糖があることによって、脂肪のエネルギー代謝が進むということは、ダイエットにとってはプラス効果があるということですが、ブドウ糖が多くなりすぎると、インスリンが多く分泌されすぎることになります。細胞へのブドウ糖の取り込みということでは分泌量が多くても問題はないのですが、インスリンには肝臓での脂肪酸の合成を進める作用もあります。

血液中で多くなりすぎたブドウ糖は、肝臓で脂肪酸になり、脂肪酸が3個結びついた中性脂肪となって血液中に放出されます。インスリンには血液中の中性脂肪を脂肪細胞の中に取り込ませる作用もあるため、結果として太ることになります。このことが、甘いものを食べすぎると太る理由となっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)