「先生に言ってやろう」の出だしの地域性

「真面目に書きすぎている」と、このサイトの「最新情報」への意見をいただくことがあります。専門的なことでも、できるだけキャッチーに、つまり受け入れられやすい形で表現しようとしていますが、それでも内容的には真面目そのものに徹するようにしています。「真面目に…」と言われるのは、ときどき閑話(無駄話、雑談)を交えていたものの、それが途絶えていて、「実質的な話ばかりになっている」との意見も寄せられたこともあり、今回はセミナーの中で閑話として話していることを書かせてもらいます。
いけないことをやった人に対して「先生に言ってやろう」と言うときに、囃し言葉のように言う言葉は、関東の人にとっては「い〜けないんだ、いけないんだ」が当然で、関西のお笑いコンビがネタの中で言っていた「い〜やや、こやや」にはビックリしたかもしれません。しかし、関東は全域が「い〜けないんだ」ではなくて、方言のようなもので、関東でも東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県では共通して使われています。
千葉県では「あ〜らら、こらら」で、これは群馬県、埼玉県でも使われています。これは前出の「い〜やや、こやや」に似た雰囲気で、関西全域に広まっているのかと思ったら、「い〜やや、こやや」は大阪と奈良県で主に使われていて、和歌山県では「あ〜りゃりゃ、こりゃりゃ」ですが、滋賀県、兵庫県では「ゆ〜たろ、ゆ〜たろ」、京都では「い〜しゃしゃ、いしゃしゃ」が使われています。兵庫県では「い〜けないんだ、いけないんだ」も使われています。関西でも地域によって違いがあることがわかります。ということは、お笑いコンビは大坂府か奈良県の出身かと思ったら、大阪府と兵庫県(神戸市)の出身ということで、同じ県内でも文化的な影響を受けて、使われる言葉が違ってくるのだということがわかります。