あんこは略式にしてよいのか

略式というのは無駄なことを省いて簡略にすることで、長々とした儀式は、できるだけ略式にしてほしいと考えます。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は幼いときにお寺で過ごしていて、本格的な冠婚葬祭の儀式を体験しています。小さなところでは、葬式があると子供が檀家の家に行って、焼印を預かってきました。この焼印を使って、葬式饅頭に家紋を入れていました。それが略式になって焼印を饅頭屋に持っていって押してもらうようになり、さらに略式で家紋を入れた包みを使うようになると焼印は必要がなくなりました。今では略式が進みに進んで家紋もなくなり、どこの家でも同じ葬式饅頭になり、お寺では複数の葬式があると、どの葬式の饅頭を食べているのかわからなくなってしまうということにもなります。
理事長が育った地域は、葬式饅頭は住職の分、家族の分、お寺の分と3箱も渡されます。お孫さん(理事長のこと)は甘いものが好きだからと、もう1箱が追加されることがあり、葬式があった次の日は近所の子供たちが饅頭目当てに遊びにくるというのは普通のことでした。そのために子供のころに饅頭の食べすぎで太るようなことはなかったのですが、お寺の厨房で小豆を煮て、自分で味付けをしてあんこを食べていたこともあって、饅頭のあんこの味の違いに敏感になっていて、あんこを食べると砂糖の分量の差も感じられるようになっていました。
煮た小豆は砂糖が使われていますが、これは甘くするだけでなく、水分保持力が高まり、やわらかい食感になるからです。煮た小豆の缶詰や袋詰めは主材料の小豆よりも砂糖のほうが多く使われたものが多く出回っています。出回っているというよりも、ほとんどが砂糖の分量が一番多くなっています。加工食品の原材料の表示は量が多い順番に記載することになっているので、これを見れば砂糖と小豆の、どちらが多いかはわかります。ただ、あんことして使われているものは「小豆あん」などと書かれているので、ここから砂糖の多さは判別がつきません。あんこは砂糖が多いものがほとんどだけに、この表示は略式にはしてほしくないところです。