ウォーキングイベントの前には少し太っておく

日常的なウォーキングは30分から1時間ほどであっても、ウォーキングのイベントとなると、かなりの距離を歩き、時間も長時間になります。メタボリックシンドロームの解消のために、また糖尿病の改善のために歩くことをすすめられている人の場合は、長時間のウォーキングは体脂肪を減らすため、血液中の余分なブドウ糖を減らすために、通常の体重をキープしたままで歩こうとすることが少なくありません。
確かに、このほうがエネルギーが多く使われて、中性脂肪値や血糖値を下げられることになります。しかし、元気に歩いて、パワーを得るためには、少しは余分に身体の中にエネルギー源を入れておかないと、せっかく歩いたのに、充分なエネルギーが作られないことになります。そのために歩いて体内で発生させたエネルギーを健康のために役立てられないことにもなります。
歩くことによって多く作られたエネルギーは、身体を動かすためにだけに使われるわけではありません。細胞を再生させる、細胞の機能を高めるといったことにも使われます。エネルギーは細胞の中にあるミトコンドリアという小器官の中で作られ、そのエネルギーは細胞の中だけで使われています。電気のように他のところに流れていくということはないのです。健康づくりは全身の細胞を正常に働かせることが必要になります。歩くだけでも全身運動になり、全身の細胞(約60兆個とされています)が活性化されることになります。
その大切なエネルギーを多く作り出すためには、運動の前には少し多めに材料(エネルギー源)となる糖質と脂質を身体の中に入れておくことが必要になります。だから、ウォーキングのイベントがある前には少し太るくらいのことをしたほうがよいということです。糖質(ブドウ糖)も脂質(脂肪酸)もウォーキングには必要なので、このときばかりは糖質制限とは言わずに、すぐにエネルギーとなる糖質も摂っておくことです。