ダイエットロスは個人にとってプラスかマイナスか

自分のダイエットに関わる遺伝子タイプがわからないために、無駄なことに時間と金を費やしている人が多いことを前回紹介しましたが、健康関連の展示会場でダイエットロスの話をしたところ、「遺伝子に合ったダイエット法が知られたら儲からなくなる」と反発した出展者がいました。その反発が面白かったので、ダイエット商品を販売している会社のブースで次々と同じ話をしていったところ、見事なほどに全部が同じ反応でした。
自分のダイエットタイプがわからない、そもそもタイプの違いがあるのかも知らない、タイプに合った方法をすれば効果がある、合わない方法は無駄になる……ということで、遺伝子の特徴を知らないまま今のダイエット法を続けてくれたほうが、同じ商品を使い続けてくれたほうがよいというのは、ダイエット業界で儲けている会社に共通している考え方のようです。
これはダイエットに限らず、健康食品の業界でもよくあることです。そこそこの効果があるものを長く続けてもらえるのが儲かることであり、ピッタリとしたものがわかっても、すぐに効果が出るものだと、すぐに売れなくなるということがあります。ダイエットの目的を、すぐに達したら、その健康食品を使わなくなってしまうということです。
しかし、サプリメントだけで成果が得られるものではなくて、遺伝子に合わせた食事と活動をして、さらにサプリメントを使うことで微調整のように効果があるというのが一般的です。つまり、サプリメントだけで望むような結果を求めても、それは無理があるということです。
サプリメントのことを薬のように感じている人もいますが、サプリメントは、あくまで食品です。食品であって、薬とは違って不足しているものを補うものです。サプリメントには補助、補完、補充といった意味があり、どこまでいっても本体ではなくて補うものという位置付けのものです。
ダイエットロスは業界的には儲かるネタであっても、実際にダイエットに取り組む人にとってはダイエットロスは、とんでもないものでしかありません。なぜなら、ダイエットのために費やした時間と金は、成果が上がらなかったら無駄でしかありません。これこそがロスそのものです。だから、ダイエットロスは業界にとってはプラスであっても、ダイエットに取り組んでいる個々の人にとってはマイナスでしかないことになります。
正しい情報が、正しく伝えられていない状態では、その情報を個人に伝えるためにはLINEのような手段に頼らなければならないのでしょうが、個人へのアプローチでは限界があります。日本メディカルダイエット支援機構では、毎週の国や研究期間などの発表データを収集・分析して関係先400名以上に「健康情報メール」として発信していますが、期待するほどには拡散していないことは充分に承知しています。
伝えたくても伝わらないということを悩むのではなく、別のことを模索していました。そこで私たちは恐ろしいくらいに発信力があり(私たちがアプローチしたい層の70%以上にアクセス済み)、真面目に正しい科学的なダイエットを伝えていこうと考えている会社と連携しています。その会社との成果は、2018年の春にも発信できるように今、一緒になって進めているところです。