テレビ番組で個別対応の情報は出しにくい

テレビ番組は、健康をメインテーマにした番組だけではなく、バラエティー番組でもクイズ番組でも健康ものは人気コンテンツです。短い時間で健康をテーマにするには、食べ物を出すのが一番簡単で、特定の成分の有効性を述べて、それに専門家のコメントがつけば一応は成功ということになります。日本メディカルダイエット支援機構は、食事と運動の組み合わせ、タイミングによる効果的な健康法を紹介していることもあって、テレビ局をはじめとしたメディアにも「食べ物だけでなく身体を動かすことをすすめてもらえないものか」と伝えているのですが、身体の仕組みを説明しなければならないことは面倒と感じるのか、なかなか取り上げてはもらえないところがあります。
テレビ番組は、それぞれメインターゲットが定められているとはいっても、視聴者の状況は異なっているので、ある手法が、すべての視聴者に共通して通じるわけではありません。そのことは制作側も百も承知で、時間的な制限の中では大多数に通用するであろうことを情報発信することになります。しかし、身体の状態を考えると、素晴らしい方法であっても効果が出にくい人もいれば、かえって健康づくりということではマイナスになることさえあります。
それは個人差や体質のせいにすれば済むことではなくて、例えばインスリンの分泌量をコントロールする方法で、それによって脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪の量を減らす方法は、普通の方には効果があっても、糖尿病の方にとっては危険なことにもなりかねません。この他にも注意点として伝えなければならないことは多々あるのですが、とにかく限られた番組の時間では一般論になりがちです。しかし、健康がテーマの番組は、高齢者の視聴率が高く、日本人は高血圧症、糖尿病、脂質異常症の人が多いので、そういった視聴者に対する注意喚起は欠かせないと思うのですが、それは現状では期待しにくいことです。
そんな愚痴のようなことを述べばかりではいけないので、こういったことはメディアの現場の方にも、視聴者にあたる地域住民の方にも機会があれば伝えるようにしています。