ノルディックウォーキングは運動効果が40%アップなのか

ノルディックウォーキングはエネルギー効率が通常の歩行よりも20%も高い、ということが一般に知られています。この話はインターバルウォーキングの講習だけでなく、健康関連のセミナーの中でもよく話していることです。「本当は40%も高いのではないか」と講習のときに聞かれたことがあります。ノルディックウォーキングについては、さまざまな研究が行われていて、20%アップというのは定説になりつつあります。とはいっても、どんな歩き方をするのかによっても異なっていて、ただポールを持って支えとして歩いているだけでは20%アップを実現するのは難しいことです。
ポールを横について、グイグイと後ろに勢いよく引くようにして、大きく前進するように歩くと、歩幅が大きく広がり、下半身の筋肉が大きく使われるだけでなく、ポールを使っていることで上半身の筋肉も使うことから、この歩き方を継続していれば20%のアップも納得がいくかと思います。下半身の筋肉は全身の筋肉の70%ほどで、ノルディックウォーキングなら90%ほどの筋肉が使われるので、これも20%アップとなることは容易に想像できます。しかし、40%というのは初めて聞いたことです。
どこで仕入れた情報なのかと聞いたところ、NHKの生活や健康を扱った番組とのことで、その番組を録画しているというので後日、DVDに入れてもらって見せてもらいました。その番組は難聴を紹介していて、血流をよくすることが難聴の進行を防ぐには歩くことが大切で、それにはノルディックウォーキングがよいという内容でした。また、認知機能を高めるためにも有効ということでした。これは日本メディカルダイエット支援機構でも常々伝えていることですが、その番組の中で指導をしている耳鼻科の専門医が「30〜40%」と話していました。
そんなにも効果がある歩き方があるのかと思って見ていたら、ポールはノルディックウォーキング用のものではなくて、前にポールをついて歩くポールウォーキング用のものでした。その歩き方も前にポールをついて身体の横まで腕を持って歩く、ある団体が教えている歩き方と一緒でした。ノルディックウォーキングの第一人者が、せいぜい10%アップと言っていた歩き方でした。