ノルディックスタイルのウォーキングの違い

若い女性のダイエットのための運動の話をしているときに、ノルディックウォーキングが話題にあがりました。あがったというよりも、ノルディックウォーキングの資料を出しての話で、誘導したようなものですが、ノルディックウォーキングは通常のウォーキングに比べて全身の90%の筋肉を使うので、消費エネルギー量が20%ほども高いということに強い関心が抱かれました。そして、専用のポールなしでも20%もエネルギーを多く使う歩き方はあるのか、という質問がありました。
通常の歩行は主に腰から下の筋肉を使っています。下半身には70%の筋肉がついているので、ポールを使って歩くことによって上半身の20%分の筋肉が使われることになります。その分だけで20%もエネルギーが多く使われるということではなくて、ポールをつくことによって勢いよく前進できるので、スピードもつき、エネルギー効率のよい歩き方になります。
ポールなどでは通常の歩き方となってしまうところですが、私たちはポールを使って、正しい姿勢で、歩幅を広げて元気に歩くことによって筋肉を強く刺激する歩き方を身につけたら、ポールがなくても同じようにグイグイと歩くようになり、普通に歩いているつもりでも筋肉強化になり、エネルギーを多く使うウォーキングを目指しています。
ポールを使っても、ゆっくりと歩いていたのでは普通の歩行とあまり消費エネルギー量は変わらないのですが、勢いよく歩くことで20%の効率アップになります。その歩行法で、ポールなしで歩いたときには10%くらいはエネルギー消費が高まることが知られています。
ポールを使って歩いていると、ゆっくり歩きのときには「変わった杖ですね」と言われることがあります。これは筆者が60歳を超えているせいかもしれません。スポーティな格好で勢いよく歩いていると今度は「スキーの練習ですか」と聞かれます。確かにノルディックウォーキングはクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まり、それが独自の運動に発展してきたので、スキーの練習と見えるのは当たり前かもしれません。
若い女性だと、ポールを持って歩くのは恥ずかしい、集団でならスポーツに見えても、1人だと変な目で見られるからと、なかなかやってくれません。そこでポールを使った歩き方だけを教えて、自分でやるときにはポールなしでもノルディックウォーキングと同じ方法で歩けるように指導しています。
歩くことを運動にするためには、歩行に使う筋肉を刺激してからにするのがよい方法で、そのために、せっかくポールがあるのだから、ポールストレッチを行います。これはポールをついたままでの屈伸運動、足を前後に開いての後方の足伸ばしなどを行うものです。ポールをついていると普段ではできない深いストレッチ、身体の曲げ伸ばしができるようになり、筋肉の刺激とともに筋肉の中に送り込まれる酸素が増えて、その後にウォーキングをすることで脂肪を多く燃焼できるようになるのです。