フレイルの改善法

フレイルの主な原因にサルコペニアと低栄養があげられます。サルコペニア対策には骨格筋の形成と維持に必要なたんぱく質を充分に摂取する必要があります。たんぱく質は多くの食品に含まれていますが、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内では合成されないために食品から摂らなければならないものは良質のたんぱく質と呼ばれます。これに該当するのは肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品です。
アミノ酸の中で特に骨格筋の基となり、体内でのタンパク質の合成を促し、分解を抑制して筋肉の形成を促す必須アミノ酸のロイシンが注目されています。ロイシンは、あわ、オートミール、押し麦、小麦粉、食パン、そうめん、中華麺、スパゲッティー、そば、コーンフレーク、さつまいも、じゃがいも、あずき、大豆などに多く含まれています。
筋肉の増強には筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動が効果的ですが、レジスタンス運動の約30分後にアミノ酸を摂取すると筋肉を作る効果が最も高くなります。筋肉を増強するためにタンパク質の合成を促すためには、エネルギー産生が重要です。エネルギー源の糖質と脂質を摂ると同時に、細胞のミトコンドリアでエネルギー産生を盛んにするためのビタミンB群や三大ヒトケミカル(R‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10)が必要となります。フレイルの進行を遅らせ、健康状態を維持するためには、バランスのよい食事、適度な運動、持病のコントロールが求められます。