メディカルダイエットの始まりはスリム型肥満対策だった

メディカルダイエットは、生理学に基づいた効果的なダイエット法と認識されています。ある意味では正しいのですが、元々のスタート地点を知ると、本質的なところが見えてくると思います。日本メディカルダイエット支援機構の理事長の栄養学の師匠は、国立病院・療養所の栄養士のトップで、その付き合いの中で国立病院の幼児を対象とした体重コントロールを担当しました。小児肥満の改善は、成長期で体脂肪を効果的につけている年代に、増えすぎる体脂肪の蓄積をコントロールするのは大変な苦労がありました。普通の食事指導、運動指導では対応ができなくて、なんとか生理学理論を駆使して健康的な体脂肪調整を行うために、運動と食事の組み合わせによる手法を考え出しました。それが運動と食事と休養を組み合わせた体脂肪コントロール法につながっていきました。
小児肥満の中で特に問題となったのは“スリム型肥満”です。スリムな子供は体脂肪が少ないというのが常識です。ところが、スリムな体型であるにも関わらず、体脂肪計で測定すると肥満のレベルである男性の体脂肪率25%以上、女性の体脂肪率35%以上という見た目とは異なる肥満がいました。特に多いのは女性のスリム型肥満で、太ったり、やせたりを繰り返しているうちに、どんどんと体脂肪率が高まっていって、やせにくく太りやすいという体型になっていきます。
どうして、そんなことになるのかというと、運動をしないで食事を減らすだけのダイエットをしていると筋肉量が落ちてしまいます。筋肉が代謝の重要な部分を司っていて、運動をしないままに食事量を減らすと筋肉が減っていきます。そのために代謝が低下してしまうのです。
筋肉を減らすことなく体脂肪を減らしていくためには、肝臓での脂肪合成を抑えると同時に、筋肉量を増やすことをしなければなりません。そのためには、例えば、空腹時に筋肉運動をして、筋肉の中のグリコーゲンを分解して、ブドウ糖として使い、血糖値の上昇を抑えて、インスリンによる肝臓の中での脂肪合成を抑えるしかありません。
この手法は、肥満の改善だけでなく、スリム型肥満の研究から始まっただけに、成長期の子供はもちろんのことで、成人にも中高年にも通じるものです。