不規則な生活が発病の原因になるのか

早起きは健康によい、とは言われているものの、それは日常的に早起きをして、それに合わせて早寝をするという一定のリズムで生活をしている場合のことです。早起きをしたり、通常の時間に起きたりを繰り返すようなことをしていると生活リズムが乱れてしまいます。例えば、いつもの起床時間で1日を始めたときには食欲もあり、排泄もスムーズにいっていた人が、1〜2時間も早起きをしたときには食欲が高まらず、いつもなら食べてから30分もしたらトイレに行きたくなるのに、出なくなる、出る量が少なくなるということも起こります。
睡眠のタイミングが大きく影響しているのは、自律神経の切り換えです。目覚めてからは、すぐに興奮系の交感神経が盛んに働くのに、早起きをしたときには交感神経が高まるまで時間がかかり、抑制系の副交感神経によって身体の中が目覚めていないという状況にもなります。食欲がないのも副交感神経の働きが盛んなままで、排泄も身体の中が寝たままの状態では、スムーズにいかないというのも仕方がないことです。
食欲がない、消化に時間がかかるという状態だと、本来なら血糖値は高まりにくく、それだけ膵臓から分泌されるインスリンが減り、糖尿病ということで考えるとプラスに働きそうです。ところが、不規則な生活をしていると糖尿病になりやすいということが知られています。睡眠のタイミングと生活習慣病のリスクの関係性について、厚生労働省が調査を始めることになり、しかもAI(人工知能)を用いて解析して、改善のための指針を作るということを聞かされると、かなり大きな問題であることがわかります。
24時間の生活リズムは“体内時計”によって調整されていると考えられていて、これは概日(がいじつ)リズムと呼ばれています。排泄は、腸の状態だけで起こっているものではなく、体温調節、血圧、ホルモン分泌などの影響を受けていて、睡眠が乱れたときには、排泄に関わる部分にも影響を与えています。それが毎日の排泄のようにわかりやすい変化ではないために、気づかないうちに徐々に悪影響を与えていくことになります。
生活習慣病だけでなく、認知機能にも影響を与えて、生活リズムの乱れがあるかどうかが将来的な認知症リスクを高めることも指摘されています。厚生労働省による調査も、そこを重視して実施されます。さまざまな調査結果を総合すると、夜勤で働いている人は約1200万人と、国民の10人に1人にもなっています。労働人口は約6700万人とされているので、5.6人に1人が完璧に概日リズムが乱れた状態で生活していて、将来的な疾病リスクが高いことになります。
そのようなことを調査で知るだけでなく、リスクを高めないために何をすればよいのかを追求して、それが実践できるような方法として伝えないことには仕方がありません。日本メディカルダイエット支援機構は、そこに貢献できるように研究を進めているところです。