健康食品の法規制33 有効成分以外の素材の判定

1000mgは1gです。このことが理解できていれば、1粒の健康食品の中に含まれている成分量がわかり、それ以外にも多くのものが使われていることがわかります。その使われているものは賦形(ふけい)剤と呼ばれていて、成形や服用に役立つために使われる添加剤です。錠剤ではデンプンや乳糖、デキストリンがよく使われています。

カプセル充填であれば賦形剤は必要がなくて、有効成分だけで製造することも可能です。ただし、吸収性をよくするために、脂溶性成分では油脂成分を、水溶性成分ではアルコール成分を加えることも行われています。しかし、少なくとも量を多く見せるために、余計なものを加えるといったことはしなくてもわけです。

カプセルの素材は、一時期は動物性の素材が使われていたこともありますが、狂牛病をきっかけに、今では植物性の素材が主となっています。賦形剤の製品に比べたら価格的に高くなるので、できるだけ安く作ろうとする場合には別の素材が使われることがあるものの、ほとんどは植物性と考えることができます。

錠剤の賦形剤には、味を調整するために多くの量が使われることもあります。健康食品には味がないと考えられているものの、上質な成分で、精製を高めると素材の特徴が際立って、苦みや渋みなどが出ることもあります。そのために賦形剤を増やしても味の問題が解決されないこともあります。

その場合にはカプセルにすればよいのですが、安くあげるために賦形剤を使った錠剤にして、その代わり素材の量を減らす、場合によっては有効性に差がある素材を使うといった例もあります。その点、カプセルは味に問題がある成分であっても、質が高いものを選び、それを必要な量だけ入れることができるので、安心材料の一つになっています。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕