大人の粉ミルクはバランス栄養食

日本メディカルダイエット支援機構の相談役である久郷晴彦薬学博士が監修した『大人の粉ミルク』(主婦の友社刊)を見た雑誌編集者から「サプリメント代わりに使えますか」との質問がありました。それに対して、「サプリメントそのもの」との返答をしました。大人の粉ミルクに相当するものは複数の食品会社から販売されていますが、その基本となっているのは赤ちゃん用の粉ミルクです。これには2タイプあり、誕生直後から食事が始まるまでの間の母乳代わりのものと、他からも栄養を摂りながら不足する栄養を補うためのものですが、私たちがサプリメントとしてすすめているのは新生児用の粉ミルクです。
新生児用の粉ミルクは無添加、無農薬で、栄養バランスが取れている安全性と機能性の両方を備えています。不足しているのは食物繊維くらいです。朝は空腹状態であり、吸収がよい状態であるので、有害なものは含まれず、すべての栄養素が含まれているものを摂るのが理想とされています。そこで、牛乳を飲む代わりに粉ミルクを飲むようにして、必要な栄養素が不足することがないようにしています。当法人の理事長は、久郷先生の影響で、20年以上も朝に粉ミルクを飲んでいます。といっても、哺乳瓶からではなくて、ぬるま湯に溶いてマグカップから飲んでいるのですが。
缶に入った粉ミルクを外に出るときに持ち歩くのは大変なので、外で栄養不足を感じるときにはカロリーメイトを用いています。バランス栄養食をうたった菓子は複数あるのに、なぜブランドを決めているのかというと、開発の事情を知っているからです。1979年に発売された医療用の濃厚流動食のハイネックスRをベースにして開発されたのが1983年に発売されたミルク味の缶タイプの飲料とチーズ味のブロックタイプです。缶は1本が200kcal、ブロックは1本が100kcal、ゼリータイプも1袋が200kcalとなっています。
価格を決めるときに、1kcalあたり1円と設定されましたが、これは栄養指導を100kcal単位で考える100kcal栄養学の元祖の山下光雄先生の発想です。元日本臨床栄養協会の副会長で、慶應義塾大学病院の食養科長であったときから100kcal栄養指導を始め、当法人の理事長と一緒に特定非営利活動法人(NPO法人)日本100キロカロリーダイエット協会を立ち上げて活動をしていたことがあります。
カロリーメイトの活用もさることながら、100kcal単位の食事指導は、今でも日本メディカルダイエット支援機構の栄養学の基本となっています。栄養バランスはもちろん重要ですが、摂取するエネルギー量が過不足ないことも合わせて重要となっています。