女性の長生き地区のトップ3は沖縄県

平成27年の市区町村別の平均寿命では、男女ともに大阪府大阪市西成区が最下位とのデータが発表されました。都道府県別の平均寿命では、上位は男性が滋賀県、長野県、女性が長野県、岡山県となっていて男女ともにトップというところはないのですが、最下位は男女ともに青森県となっています。大阪府の平均寿命はともに38位で、これは重なっているのですが、「どうして男性は西成区が最下位なのか」ということについては前回取り上げました。今回は、テレビのディレクターとの話の中に出てきた女性のほうの結果について考察してみます。
女性の平均寿命トップの沖縄県中頭郡北中城村の89.0歳と比べると大阪府大阪市西成区は84.4歳と4.6歳の差となっています。この5年近くの長生きは、人生の締めくくりの時期としては重要です。もちろん、健康寿命が保たれていて、元気に長生きということが望まれるわけですが。
平均寿命が短くなる要因としては、健康増進にかけられる予算が少ないことと、早く異変に気づくことができる健康診断の実施率に関わってきます。下位ランキングを見ても、西成区以下は北海道稚内市、福島県西白河郡西郷村、青森県東津軽郡蓬田村、岩手県釜石市、大阪府大阪市浪速区、福島県双葉郡広野町、青森県三戸郡三戸町、青森県北津軽郡板柳町、大阪府大阪市平野区となっています。ざっと見ても、健康づくりの達成度が低そうな印象があります。
平均寿命は、すべて寿命に大きく影響するのかということですが、男女ともにワースト1位となった西成区は女性の84.4歳に対して男性は73.5歳と、その差は10.9歳となっていて、10歳以上の開きとなっているのは、この地域だけです。これについで男女差が大きい鹿児島県大島郡天城町でも8.7歳です。女性は苦境にあっても生き延びられる生命力の強さがあると言われていますが、それを裏付けるような結果となっています。
全国の男女差の平均は6.2歳です。ちなみに男女差が小さな地域は奈良県生駒郡平群町では4.8歳となっています。男性は81.7歳、女性は86.5歳で、比較的長生きの女性に引っ張られて男性も長生きになったということを推定されます。この結果をもって、テレビ局のディレクターに「どんな施策をしているのか取材したら面白い」と話したのですが、テレビ番組は長生きの人たちの生活、中でも食事については取材しても、こんな地味なテーマには関心がないようです。
それに反した派手なテーマのほうは、これを食べているから元気で長生き、他の地域でも同じ食材を食べれば寿命が延びるという切り口なら大歓迎なのですが、コツコツとした出来事の積み重ねは好まれません。それなのに健康をテーマにした番組では、生活習慣こそが重要で、毎日の積み重ねが大切というようなことを発しているのを見聞きすると、なんだか本質が伝わっていない気がします。
市区町村別の平均寿命については、5年ごとの発表ということで、これから何度もメディアで取り上げられるはずですが、異なった目線での番組は期待できないかもしれません。
ここまで書かれたら、反骨精神で番組づくりがされることを期待しての発言ではあるのですが。