学習障害児に必要な指導内容2

文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、学習障害がある子どもに必要な指導内容について、前回に続いて紹介します。
(5)文字を正確に書く能力を高めるための指導
文字を正確に書くことが苦手な場合には、適切な文字を思い出すことができないのか、細かい部分を書き間違えるのか、同じ音の漢字や形が似ているアルファベットと間違えるのかなど、その躓きのパターンを把握した上で、漢字の成り立ちなどの付加的な情報を指導し、意味づけを行うことや文章や文字をなぞって書くことなどの指導方法を組み合わせます。
(6)作文を書く能力を高めるための指導
作文を書く際の視点を養うための推敲課題に取り組んだり、「いつ」「どこで」「誰が」「何をして」「どう思ったか」などの質問形式から取り組み始めたりするなどの工夫をしながら、作文の指導を行います。
(7)計算をする能力を高めるための指導
計算に困難さがある場合には、数の概念の未熟さ、記憶力の弱さ、視覚認知面の課題、思考力の弱さなどの要因が考えられます。つまずきの要因を明らかにした上で、数概念の拡大や計算の手順の獲得を狙いとして、絵カードなどを活用して理解を進めます。また、繰り上がりなどの考え方について具体物を活用したり、筆算の際にマス目のあるノートを使ったり、記号を用いて手順を示したりするなどの指導を行います。
(8)算数(数学)の文章を含む課題に取り組む能力を高めるための指導
算数(数学)の文章題が苦手な場合には、文章中にある条件を記憶する力や、示されている条件をもとに立式する思考力に弱さがあるのかなど、その要因を明らかにした上で、その問題が何を問うているのか、ヒントは何なのか、そのような概念や公式が必要かなどに着目させます。また、自分で文章題を作成したり、あるいは文章題を図に示したりするなどの指導を行います。