平均年齢50歳の地域はモデルとなるのか

2025年は日本の平均年齢は50歳に達しますが、すでに50歳に達している地域は当然あります。都道府県別のデータ(2015年)で、まずは一番平均年齢が高い地域と低い地域を見て見ると、第1位は秋田県の49.30歳、最下位は沖縄県の40.75歳です。わずか10年の間に、国民の平均年齢が最も高い県の平均年齢を超えるという予測です。
沖縄県といえば長寿県として知られていた時期もありますが、これだけ低いのは若い人が多いことの証明です。若い人が多くて、高齢者は長生きというのは理想ですが、沖縄県の平均寿命ランキングは女性が7位(87.44歳)となっているものの男性は36位(80.27歳)となっています。秋田県は男性が46位(79.51歳)、女性が44位(86.38歳)と平均寿命は短いのに平均年齢が高い状況になっていて、健康で長生きという理想には遠い状態といえます。
国民全体の平均年齢が50歳に達したときには、どんな状態になっているのかを推定するために、50歳の自治体を探してみると、富山県の南砺市と氷見市です。南砺市は合掌造りの五箇山で有名な地域で、氷見市は能登半島の付け根の地域です。高齢化率をみると、南砺市は36.1%、氷見市は36.0%となっています。富山県の高齢化率は30.5%なので、かなり高めといえます。ちなみに最も平均年齢が高い自治体は群馬県南牧村で63.46歳、高齢化率は60.5%となっています。
日本メディカルダイエット支援機構が健康寿命延伸の活動に取り組んでいる岡山県和気町は高齢化率が39%を超えているものの、平均年齢は50.7歳と、高齢者が多い割には平均年齢が低めとなっています。これは家に高齢者がいない親子だけで暮らす家族が多いということで、高齢化率が高くても元気に過ごせている自治体のモデルとなり得ます。こういった地域を見つけ、そこで三世代(親、子、孫)の健康づくりに取り組んだときに、どのような好結果が出るのかという研究試験を実施するのに適した地域と考えています。