日本人は肉に含まれる脂肪が固まりやすい

沖縄県の平均寿命の話をしたときに、牛肉は豚肉に比べて飽和脂肪酸が多く、不飽和脂肪酸が少ないので動脈硬化のリスクが高まりやすく、これが日本のトップであった平均寿命が男性で36位、女性で7位になった理由を説明しています。なぜ飽和脂肪酸がよくないのかという話まではしていなかったので、このサイトの「最新情報」の読者から質問がありました。
これは獣肉となっている動物の血液の温度が関係しています。牛と豚は体温が高く、血液温度は40℃を超えています。この温度の血液の中で飽和脂肪酸は溶けているので、飽和脂肪酸が多くても平気で暮らしていけます。これに対して日本人の血液温度は37℃ほどなので、飽和脂肪酸は固まりやすくなります。だから、日本人は肉食が多くなると血液がドロドロ状態になるのです。欧米人や肉食が多いアジア人は血液温度が38〜39℃にもなっているので、飽和脂肪酸が多くても動脈硬化のリスクは低いのです。
ちなみに、血液温度が最も高いのは羊ですが、羊肉にはエネルギー代謝促進成分のL‐カルニチンが非常に多く、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を多く通過させて、エネルギーを多く作り出していることから、血液中の飽和脂肪酸が少なくなっているのです。これが羊肉(マトン、ラム)を食べると太らないと言われる理由で、サプリメント成分としてL‐カルニチンを摂っても同じ結果が得られるようになります。
欧米人や肉食が多いアジア人は、歴史的に肉食が多かったことからL‐カルニチンの摂取量が多く、また体内で合成されるL‐カルニチンも多くなっています。それに対して日本人は体内での合成量が少なく、その合成も20歳をピークに年齢を重ねるたびに大きく低下してくるので、どうしても不足するようになります。だから、日本人の場合は、良質なたんぱく質を摂るために肉を食べるときには、L‐カルニチンを摂ることがすすめられます。
L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。