朝食を抜いても健康に問題はないのか

食育白書(2018年版)によると、20〜30代で朝食を抜いているのは26.9%にもなっています。前年に比べると3.4ポイント増えています。この調査の朝食抜きは、まったく食べていないという答えではなくて、ほとんど食べない、週に2〜3日食べる、を合わせた数です。ほとんど食べない人だけを見ると20〜30代では17.9%で、前年比では3.1%ポイントの増加です。
この他の年代は、どうなっているのか知りたいところですが、食育白書で発表されているのは20代と30代、つまり20〜39歳のみです。これとは別に子供の朝食抜きの調査結果が発表されていて、調査対象は6年生です。その朝食抜きの割合は5.5%で、前年が4.6%なので0.9ポイントの増加となっています。先の3.4ポイント、3.1%ポイントの増加と比べると、0.9ポイントの増加は少ないように見えるかもしれませんが、基礎数字に比べると16%ほども増えていることになります。
1日に2食が基本となっている民族はいますが、どこも朝食と夕食で、食べていないのは昼食です。日本人が国民的に1日3食となったのは江戸時代中期とされています。武士と貴族は3食でしたが、それ以外は起床して朝食を食べて、夕食を食べたら時間をあけずに就寝していました。電気はもちろんのこと行灯(あんどん)に使う油も蝋燭(ろうそく)も高かった時代には暗くなったら寝るというのは当たり前のことで、食事と食事の間は12時間ほどであったということです。
この12時間というのがキーポイントで、エネルギー代謝に必要なビタミンB群のビタミンB₁とビタミンB₂は体内で24時間は保持されるので1日に1回だけ摂取すれば足りるのに対して、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。だから、朝食を抜くようなことをしてはいけないということです。

食育白書