機能性表示食品の試験データは信じられるのか

機能性表示食品は、その名のとおり、機能性を表示することができる食品のことです。特定保健用食品が個別の商品を審査して機能性の表示が許可されているのに対して、機能性表示食品は含まれている成分が人間を対象とした試験によって有効性が認められていて、その成分が一定量使われていれば同様の結果が得られるとみなされて、機能性を表示することができます。つまり、機能性表示食品は、販売者の責任において保健の目的が期待できる旨の表示をすることができるものです。
機能性表示食品の表示は、健康の維持・増進に役立つことを表現するものであり、医薬品と誤認される恐れがあるものであってはならないとされています。可能な機能性表示の範囲としては、①容易に測定可能な体調の指標の維持に適する、または改善に役立つ旨、②身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する、または改善に役立つ旨、③身体の状況を本人が自覚でき、一時的であっても継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨、とされています。
認められていない表示としては、①疾病の治療効果または予防効果を暗示する表現(糖尿病の人に、高血圧の人になど)、②健康の維持および増進の範囲を超えた意図的な健康の増進を標榜するものと認められる表現(肉体改造、増毛、美白等)、③科学的根拠に基づき実証されていない機能性に関する表現という例示が消費者庁から出されています。
これを見ると、機能性表示食品といっても、多くの人がサプリメントに期待していることは表示できず、それぞれのサプリメント素材の知識がないと判断できないということがわかります。機能性表示食品の試験データは一つの好結果でしかなくて、他のデータは必ずしもよくないということもあります。内臓脂肪の面積が減少したというデータが示された機能性表示食品が、実は体脂肪率は増えていたというものもあって、これはプラスの効果があると言えるのか、それともマイナスの効果でしかないのかと疑問を抱くしかないものもあるのです。