活性酸素は抗酸化物質だけで防げるのか

前回の活性酸素の話を受けて、活性酸素を消去する働きがある抗酸化成分の話をしておいたほうがよいという意見を受けて、抗酸化成分について紹介します。ただ、抗酸化成分だけでは根本的な解決にはならないことも知っておいてほしいので、続いてミトコンドリアとヒトケミカルの関係についても紹介させてもらいます。
活性酸素を消去する抗酸化成分は、色素に多くなっています。紫外線を浴びると活性酸素が発生しますが、植物は紫外線を浴びることで光合成をしているので、紫外線の害を減らすために抗酸化成分を色素として蓄積しています。これを私たちはいただいて、余分な活性酸素を消去しているわけです。活性酸素は過剰な運動、農薬、食品添加物、化学物質、薬剤、紫外線、放射線、電磁波などだけでなく、ストレスでも糖尿病でも発生量が多くなるので、活性酸素を避けて暮らすことは不可能です。そこで活性酸素が多く発生する条件の人は、発生した活性酸素を減らすように抗酸化物質を摂ることがすすめられているわけです。
しかし、それ以上に重要なのは発生量を減らすことです。発生の原因を避けるようにすることだけでなく、体内でエネルギーが作り出されるときに発生する活性酸素をできるだけ少なくするという方法があります。活性酸素が発生するのは、細胞のミトコンドリアでエネルギーが作り出されるときです。エネルギー源のブドウ糖と脂肪酸を材料にして、ミトコンドリアでエネルギーが作り出されるときには酸素が使われているのですが、そのときには水と二酸化炭素も作られています。その段階で不完全燃焼が起こると活性酸素が多く発生します。
不完全燃焼が起こらないようにするには、代謝促進成分であるα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が必要です。α‐リポ酸のうち天然型はR‐αリポ酸と呼ばれていますが、R‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルとなっていて、ミトコンドリアにブドウ糖と脂肪酸を効率的に取り込んで、ミトコンドリア内の代謝を促進させる働きがあります。三大ヒトケミカルは体内で合成されるものの20歳をピークに減少し続けるので、代謝を高めるためには不足分を補わなければなりません。三大ヒトケミカルの成分は医薬品成分から食品成分としても許可されているので、サプリメントとして摂ることが可能です。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。