環状オリゴ糖は超微細のナノサイズ

機能性表示食品の機能性関与成分として認められたα型環状オリゴ糖は非常に小さなもので、そのサイズは内径で0.5〜0.6nm(ナノメートル)です。1nmは100万分の1mm(ミリメートル)ですが、そのような説明をされても、あまりに小さなサイズのために、ピンとくる人は少ないはずです。何かと比較したほうがわかりやすくなるといっても、比較対象が遺伝子のDNAの大きさと言われると、もっとわからなくなってしまうかもしれません。
これだけ小さなサイズのものに、どんな機能があるのかというと難消化性のデキストリン(低分子量の炭水化物)であって、消化も吸収もされず、大腸で腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)となって善玉菌を増やす働きです。胃の中では粘度が高まって、食事で摂ったデンプンや砂糖が小腸に運ばれる時間が長くなり、血糖値の急上昇が抑えられます。
一般にはナノサイズというと分子の大きさを指していて、1〜100nmなら「ナノサイズ」と表現できます。「ナノサイズなので吸収力が高い」という表現もされていますが、本当に吸収されやすいのかというと、これには疑問もあります。100nmというと1nmのものが100個つながった100倍の大きさではありません。物質がつながっていくときには縦・横・高さと立体的にまとまっていきます。ということは、「100×100×100=1,000,000」で、100万倍にもなります。
1nmが100万分の1mm、逆算では1mmが100万 nmということですが、立体構造での比較なので、イコールではありません。しかし、これだけ大きなものになると1nmに比べて作用が低くなるのは普通に考えつくことです。しかもα型環状オリゴ糖は内径が0.5〜0.6nmと、さらに小さいので、その機能性には大きな期待が寄せられています。
ブドウ糖の吸収抑制だけでなく、糖質の分解酵素の働きを抑制する作用もあって、砂糖が使われた食べ物や飲み物と一緒に摂ることで、より血糖値の上昇抑制を進めるということが確認されています。