発達栄養学21 食事に関係する感覚過敏の特性1

発達障害の特性である感覚過敏は、栄養摂取の面でも大きく影響を与えます。その中でも特に影響が大きいのは味覚過敏です。味覚過敏の特性としては、以下のことがあげられます。
・特定の味(酸味、苦味、渋味、辛味、塩味)をすごく嫌がる
・味が違うことに敏感で、決まったものをずっと食べる
・味や食感が混じり合うことを嫌がる
・特定の食感をとても嫌がる(ネバネバ、もちもち、シャキシャキ、パリパリ、揚げ物の衣など)
・臭みのある野菜(きゅうり、トマトなど)が食べられない
・牛乳などとろみのある飲み物が飲めない
特徴的な味わいは、食欲を沸かせるためには重要で、そのために使われる調味料は、種類を変えただけで和食、洋食、中華といった違いを出すことも簡単にできます。ところが、味覚過敏では、その感覚が鋭すぎるために、特徴的な味わいのものが食べられないということがあります
味や食感が混じり合うことに過敏に反応することも多くみられることで、それぞれの野菜の煮物なら食べることができても、一緒に煮たものだと食べられないということがあります。揚げ物も中身が同じものであれば大丈夫でも、複数の食材が加えられていると食感が異なるために食べられないということがあります。
味覚に加えて触覚や聴覚とも関係してくることですが、よく例に出される食べ物にコロッケがあります。どんな食材が使われているのか見た目にわかれば抵抗感は少ないのに、コロッケは衣に包まれていて、切るか噛むまで中身を確かめることができません。揚げ物の衣がトゲトゲして食べられないという子どもがいる一方で、衣は平気だけれどコロッケの中身がヌメヌメして食べられないという子どももいます。この両方の理由で食べられないという子どもの少なからずいます。
このように味覚過敏は画一的な対応でこなせないという、作る側にしては困難なことが多いという特性があるのです。