発達栄養学94 必須脂肪酸の見極め方

脂肪酸は脂肪の構成単位で、炭素、水素、酸素の3種類の原子で作られています。炭素の数や、炭素と炭素のつながりによって違いがあり、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられています。飽和脂肪酸は炭素と炭素の間に二重結合がないもので、二重結合があるものが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸のうち二重結合が1つのものが一価不飽和脂肪酸、2つ以上あるものが多価不飽和脂肪酸と分類されています。
飽和脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸などがあり、動物性食品に多く含まれていて、常温では溶けない性質があります。不飽和脂肪酸は植物性食品や魚油に多く含まれていて、常温では溶けています。この温度の差があるために、飽和脂肪酸は血液ドロドロ、不飽和脂肪酸は血液サラサラの脂肪酸と呼ばれています。
一価不飽和脂肪酸はオレイン酸など、多価不飽和脂肪酸はα‐リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸、EPA、DHAなどがあります。脂肪酸のうち、体内では合成されないために食事から摂らなければならないものは必須脂肪酸と呼ばれています。必須脂肪酸はn–3系脂肪酸(オメガ3)とn–6系脂肪酸(オメガ6)に分けられています。n–3系脂肪酸はα‐リノレン酸で、エゴマ油、シソの実油などに含まれています。n–6系脂肪酸のリノール酸とアラキドン酸は紅花油、ごま油、コーン油、大豆油、ひまわり油などに含まれています。
必須脂肪酸は細胞膜を構成するリン脂質の成分で、細胞の機能の維持に欠かせません。また、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールや善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールのリポ蛋白の構成成分で、血液中の脂質を全身の細胞に届けるためにも必要です。
脂肪酸の中で栄養機能食品のサプリメント成分となっているのは、n-3系脂肪酸の脂肪酸です。