発達栄養105 早食いの本当の理由

子どもが早食いをするのは、早く食事を終えて勉強をしたい(これは少ない?)、遊びに行きたいということが理由となっていることもありますが、他に食事を早く済ませたいという感情があって、これは発達障害がある子どもに多く見られます。

その理由として、食事の大切さが理解できていない、ゆっくりと食べる意味がわかっていない、ということがあげられることが多いのですが、食事そのものが楽しくないという理由もあげられます。

食事をすることが苦しいという感覚もあって、これは感覚過敏によって五感(味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚)が鋭く反応するために、当たり前と感じられがちな食事をしていて起こることが苦しく感じていることがあります。

そんな苦しい状況から、できるだけ早く逃れたいという気持ちがあると、どうしても食べるスピードが早くなってしまいます。その感覚は五感の過敏さから来ているだけでなく、嫌なものを食べさせられること、それを強要される環境から少しでも早く逃れたいという気持ちが、早食いをさせることにもなります。

早食いをしているときには、噛む回数が少なくなり、食べ物を消化しやすい形にしていく咀嚼も少なくなります。その結果として、飲み込んだ後の胃での消化にも、小腸での吸収にも影響が出てきます。そういったことがあるので、しっかり噛んで、ゆっくりと食べることがすすめられるわけです。

早食いをやめさせよう、ゆっくりと食事をさせようとする前に、どうして早食いをしているのか、その理由を考え、その理由に合った対策を取るようにすることが、発達障害の改善を目指す食事では重要になることを伝えています。