発達障害の感覚過敏の特徴がわかれば対応しやすい

発達障害の自閉症スペクトラム障害では、五感の反応が通常とは異なる特性があり、中でも感覚過敏は極端な偏食につながり、これが発達障害の改善にとってマイナスにもなっています。
偏食に直接的につながりやすいのは味覚過敏で、特定の味(酸味、苦味、渋味、辛味、塩味)をすごく嫌がる、味が違うことに敏感で決まったものをずっと食べる、味や食感が混じり合うことを嫌がる、特定の食感をとても嫌がる(ネバネバ、もちもち、シャキシャキ、パリパリ、揚げ物の衣など)、臭みのある野菜(きゅうり、トマトなど)が食べられない、牛乳などとろみのある飲み物が飲めない、といったことがみられます。もちろん他の特徴もあるのですが、どんな反応があるのかを知っておけば、その子どもの状態に早く気づく手助けとなります。
触覚過敏も偏食には大きな影響を与えることであり、温かい食べ物を火傷しそうに熱く感じる、冷たい牛乳が飲めずに温めた牛乳なら飲める、茹でた野菜が固くて痛い、三つ葉の茎が喉に刺さる、氷が歯に当たると痛い、茶碗の大きさや形が違うと手で持てない、金属の食器では食べられない、いつもと違う食器では食欲が湧かない、といったことがみられます。
食事についての触覚過敏の偏食を理解するためには、それ以外の触覚過敏も知っておくことが大切になります。その特徴としてあげられることが多いのは、触ることができないものがある(のり、ねんど、スライム、たわし、毛糸)、手がベタベタするのを嫌がる、手が水で濡れることをとても嫌がる、服の着心地にこだわる、苦手で着られない服・靴下・靴・帽子がある、帽子・マスク・マフラー・ハイネックを身につけたがらない、握手ができない、背中を触られるのが嫌い、抱っこやおんぶを嫌がる、髪の毛を触られることに恐怖を感じる、シャワーを痛いと感じて泣き叫ぶ、髪のブラシ・歯磨き・爪切り・耳かきなどをとても嫌がる、軽く触られただけでも大きく身体を引いてしまう、握手やハグが苦手、注射など痛みにすごく敏感、温度に対して敏感でとても暑がり・寒がり、熱いものが痛みに感じる、気にいった手触りのものをいつも触っている、シートベルトができない、ティッシュで口や鼻が拭けない、水に顔がつけられない、肌にローションや軟膏がつけられない、砂や泥の感触が不快、過剰にくすぐったがる、といったことです。
食事をするところまで移動するときに触覚過敏への反応が起こるようなことがあると、それに刺激されて食事に関する触覚過敏が引き起こされ、さらに味覚障害に拍車がかかるという例もあります。