糖質で太る人にはR‐αリポ酸とコエンザイムQ10

肥満遺伝子タイプで日本人に一番多いのは、糖質を摂ると肝臓で脂肪酸に合成されやすいタイプで、これは一般にはリンゴ型肥満と呼ばれています。遺伝子検査をすれば的確にタイプを知ることができるのですが、食事と運動の傾向のアンケート調査でも、80%ほどの確率で当てることができます。この確率のためには、正直に答えてくれることが条件になるのですが。
リンゴ型であることがわかると、それに適した食事法が指導されて、それを改善するだけで随分と体脂肪の蓄積を減らすことができるようになります。しかし、遺伝子は一生涯変わることはなくて、それぞれの人の食行動を左右しているものだけに、そう簡単に食傾向は変えられません。ダイエットのためにと自分では変えているつもりでも、食品の摂取の機会(1週間で何回食べるか)を知る食生活調査票を実施すると、あまり変わっていないことがわかります。
できれば食事パターンは変えたくはないものです。自分のパターンが太りやすい傾向であっても、その傾向が本人にとっては幸せな行動パターンであって、誰しも幸せパターンは変えたくはないものです。ということで、サプリメントでなんとかしようと考える人も少なくありません。肥満遺伝子が詳しくわかるようになってから、サプリメントの販売会社では遺伝子による太りやすい食事の逆を行く働きがあるものを組み合わせて使うようになっています。
糖質で太る人の場合には、糖質がブドウ糖に分解されるのを阻害するもの、ブドウ糖の吸収を阻害するもの、ブドウ糖の代謝を促進するものが組み合わされるのが一般的なパターンです。しかし、これでは効果が得にくくなります。ブドウ糖に分解されるのを阻害するといっても完全に分解されないようにするわけではなくて分解にかかる時間を遅らせるのがほとんどです。吸収の阻害も時間をかけて吸収させるだけで、吸収される量は大きくは変わりません。それでも分解と吸収が遅くなることによって血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値のピークが下がることで膵臓から分泌されるインスリンの量が少なくなります。インスリンには肝臓で合成される脂肪酸の量を増やす働きがあり、それが抑えられるので効果があるわけです。
直接的に効果があるのはブドウ糖の代謝を進めるサプリメント素材で、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれて消費されれば血糖値が下がって、その分だけインスリンが減り、脂肪酸の合成も抑えられることになります。その働きがあるのは細胞でエネルギー産生を行っているミトコンドリアでブドウ糖を取り込むα‐リポ酸です。α‐リポ酸には天然型のR‐αリポ酸と非天然型のS‐αリポ酸があり、体内で使われているのはR‐αリポ酸です。これにミトコンドリア内の代謝を進めるための補酵素であるコエンザイムQ10が加われば、代謝が盛んになっていきます。
α‐リポ酸とコエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。