膝痛対策のウォーキング

膝の痛みは筋肉、骨、関節の損傷などが原因としてあげられていますが、高齢者の場合には関節の損傷、その中でも関節の軟骨のすり減りが大きな原因となっています。軟骨がすり減ると、刺激を受けた骨がささくれ立った状態になり、これがトゲのようになって、反対側の関節の神経を刺激するようになります。どれくらい軟骨がすり減ったのかというよりも、トゲがどれくらい大きくなっているかが痛みの強さに関係しているのです。
膝の軟骨がすり減っているために痛みが生じている人は、運動をしたくない、歩きたくもないと思うのは仕方がないことですが、痛みの解消のためには歩いて膝を動かすことが大切です。というのは、膝の軟骨には血管が通っていないので、血管を通して軟骨に不足している成分を送ることができないからです。
膝の軟骨を再生させるために必要な成分は、膝を曲げ伸ばしして、膝の周りの血管から、その成分を送り届けるようにする必要があります。膝関節は滑膜という袋状の膜の中に包まれ、滑膜の中の関節液に有効成分が溶け込んでから膝関節に届けられます。この作用を進めるためには、膝が動くことによるポンプ作用で、滑膜とつながった血管から成分が引き込まれていきます。膝関節によいとされるグルコサミン、コンドロイチンは歩かないと軟骨に届けられないということです。
膝の曲げ伸ばしが必要であるといっても、深く曲げるとトゲ状になった骨が神経を強く刺激するようにもなるため、あまり膝を深く曲げないで、普通の歩き方をして軽い曲げ伸ばしを続けるようにします。膝関節を適度に動かすことは、周囲の筋肉を強くして、膝関節への負担を減らす効果もあります。軟骨の再生に必要な成分を摂っても、痛みの改善には期間がかかることから、痛みを抑えることも必要です。そのための成分が膝軟骨用の医薬品や健康食品には使われています。
歩いて治すというと歩きすぎてしまう人もいますが、膝の軟骨に成分を送り続けるために毎日、少しずつでもよいので継続して歩くようにします。