若い世代のカルシウム摂取は厳しい状態

厚生労働省の国民健康・栄養調査では、それぞれの栄養素の1日の摂取量を男女別、年齢別に平均値を発表していますが、その中で特に不足しているのはカルシウム摂取量です。摂取量を見ても、どれくらい不足しているのかは見えにくいので、日本メディカルダイエット支援機構では、厚生労働省の日本人の食事摂取基準の推奨量に対して、それくらいの量が確保されているのかを計算しています。
これを始めたのは平成11年のデータが発表されたときからです。平成10年までは年齢別のデータは発表されていたものの、男女別のデータは発表されていなくて、男女の差を明らかにすることはできなかったのです。平成11年のカルシウム摂取量を見て、特に注目したのは30歳代の女性で、当時の摂取基準の600mgに対して“10%も足りない”と関係先や各メディアに情報発信をして、カルシウム摂取を増やす方法も伝えました。
しかし、その後のカルシウム摂取量は、なかなか増えず、平成29年の調査結果によると20歳代の男性では54.37%、女性では64.61%となっています。これは摂取基準が増やされたことが関係していますが、それにしても少なすぎる摂取量です。骨密度のピークは20歳とされているので、この段階でカルシウム摂取量が少ないと、一生涯の骨密度に影響することになります。
性別、年齢別の摂取量と充足率をみると、男性では20〜29歳は435mg(摂取基準800mg:54.37%)、30〜39歳は435mg(650mg:66.92%)、40〜49歳は447mg(650mg:68.76%)、50〜59歳は484mg(700mg:69.14%)、60〜69歳は554mg(700mg:79.14%)、70〜79歳は583mg(600mg:97.16%)、80歳以上は584mg(600mg:97.33%)となっています。
女性はどうなのかというと20〜29歳は420mg(摂取基準650mg:64.61%)、30〜39歳は421mg(650mg:64.76%)、40〜49歳は445mg(650mg:68.46%)、50〜59歳は511mg(650mg:78.61%)、60〜69歳は552mg(600mg:84.92%)、70〜79歳は582mg(600mg:97.00%)、80歳以上は584mg(600mg:97.33%)となっています。