身体の一番奥の回盲部のケアは大変だ

小腸は十二指腸から先の部分で、空腸と回腸に大きく分けられています。これに続く大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸を経て、肛門へとつながっています。小腸の太さは3cmほどで、大腸は6〜8cmの太さがあります。小腸の回腸から大腸へ盲腸では3倍近くもの太さの差があって、この太さの違いを解消してスムーズに通過させるように回腸と盲腸の間には弁があります。この部分は回盲部と呼ばれ、弁は回盲弁と呼ばれています。
腫瘍が大腸に多く、小腸にはほとんどみられません。小腸がんという言葉は聞いたことがないと思いますが、全腫瘍のうち0.5%でしかないので、当然のことかもしれません。小腸は吸収する機能があるために、有害なものを排除する働きがあって、免疫力が高くなっています。
回盲部は大腸の奥の奥で、小腸から流れてきた流動物が通過するところであるので、強い刺激を受けるわけではなく、便が長く滞在することで有害物質に触れて腸壁が傷むことも確率的には低くなっています。腫瘍ができることも少ないのですが、回盲部が腫れることがあります。あまりに奥であるために、腫れを確認するためには大腸を空っぽにして内視鏡検査をする必要があります。そして、腫れが発見されたとしても薬を塗るわけにもいかず、悪性の腫瘍でなければ様子をみるということになって、腫れによくない食事を避けるように言われるのが、ほとんどの対応です。
腫れによくないものは何かというと、固すぎる食物繊維です。食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、腸壁を強く刺激するのは不溶性食物繊維で、中でも不溶性食物繊維が多く含まれているのは牛蒡(ごぼう)です。唐辛子は腸壁を通過していきます。だから、唐辛子が多く使われた料理を食べると身体が温まるわけですが、刺激性が強い唐辛子の辛味成分のカプサイシンが腫れた回盲部に触れると、腫れを進めることにもなります。
なぜ今回のようなことを書いたのかというと、日本メディカルダイエット支援機構の理事長が内視鏡検査で回盲部の腫れが発見されて、岡山県の名物の一つの連島ごぼうを食べることができないことを嘆いていたからです。