身体年齢30 食生活チェックでわかる糖尿病対策

食生活チェック表を用いた栄養バランスの確認では、1日の主食の種類(ご飯、パン、麺類など)と摂取量の目安を聞いているので、糖尿病のリスクがある方の場合には血糖値を上昇させる糖質の量は基本的に把握できています。

チェック表では間食と飲料についても聞いているので、砂糖が含まれた飲食品も把握できています。その結果から、糖質の摂取を減らすことが指導の中心となると考えられがちで、食生活をチェックした方に聞いても、糖質の摂りすぎを減らしたいという返答も得られることが多くなっています。

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値を上昇させるのはブドウ糖が多く含まれた糖質の摂取量が影響しているのは間違いないことです。しかし、血糖値の急上昇を抑えて、糖尿病のリスクを低くするには糖質だけでなく、全体的にエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を減らすことが必要になります。

一般には健康のための食事量については“腹八分目”ということが言われます。糖尿病のリスクを低下させるための食事の目標は、まさに腹八分目となっています。

糖質を減らしすぎると空腹感を感じて多くの量を食べすぎることになります。糖質を減らし気味にして、エネルギー量が高い脂質の摂取量に注意するようにします。脂質のエネルギー量は1gあたり約9kcalで、糖質の約4kcalと比べると2倍以上のエネルギー量があります。

糖尿病は血管の老化を進める疾患で、合併症の網膜症、腎症、神経障害は細くてもろい血管が集中する部位です。血管を丈夫にするためには必須アミノ酸(体内で合成されないために飲食で摂る必要があるアミノ酸)がバランスよく含まれた良質なたんぱく質が必要ですが、肉類、魚類は脂質が多いので摂取を減らして、卵、乳製品、大豆・大豆製品の摂取を増やすことがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕