運動と入浴のタイミングとL‐カルニチン

運動をすると筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼが活性化して、中性脂肪が分解されて脂肪酸となります。脂肪酸を燃焼させるには筋肉細胞のミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれる必要があり、ここで活躍するのは脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過するL‐カルニチンです。L‐カルニチンは運動をしているときだけでなく、運動を終えてからも体内で多く使われています。というのは、脂肪の分解は運動後の30分間も徐々に低下しながら継続していて、分解した脂肪が燃焼しているからです。
リパーゼは筋肉の温度が高まることによって活性化していきます。運動をして汗が出始めたときにはリパーゼによる脂肪分解が盛んになってきた段階で、筋肉の温度が高まりすぎないように汗が出て筋肉を冷やすように働きます。筋肉が温まりすぎるとリパーゼの活性が低下するからです。
運動後に風呂に入ると、筋肉の温度が高まり、リパーゼの活性が低下します。だから、運動後の30分間は入浴せずに、汗を流す場合はシャワーだけにしておきます。シャワーは熱くても筋肉を温めることはありません。入浴は30分が経過してからにします。
脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれたあと、ミトコンドリア内のTCAサイクルで代謝が盛んとなることで、さらに脂肪酸は多く取り込まれ、作り出されるエネルギーも増えていきます。TCAサイクルでの代謝に必要な酵素の働きを補う補酵素がコエンザイムQ10で、L‐カルニチンとともにコエンザイムQ10が充分にあることで、脂肪燃焼が盛んになっていきます。
ダイエット効果を期待する人には、運動後に身体を動かしていなくても脂肪が燃焼する大切なタイミングとなるわけですが、運動をしても体脂肪が減りすぎないようにしたいという人もいます。そういう人には運動後に熱めのお湯に入り、リパーゼの活性を抑える方法がすすめられます。そういう人はL‐カルニチンを摂る必要がないのかというと、そうではありません。L‐カルニチンには筋肉運動によって筋肉を増やす働きがあることが認められています。L‐カルニチンを摂取しておくことで、筋肉が増えて、脂肪の蓄積も同時に行えます。
運動後の入浴によって体脂肪の量は変化するので、L‐カルニチンとコエンザイムQ10を活かしてタイミングダイエットの好結果につなげてほしいものです。
L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。