野菜とお茶でカリウムを補給

塩分の摂りすぎは血液中のナトリウムを増やすことになり、血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分量が増えて血圧を上昇させます。また、血管の細胞にナトリウムが入ると細胞の水分量が増えて、血管が狭くなることも理由としてあげられています。ナトリウムの摂取量が多いときには、ナトリウムを排出する働きがあるカリウムを摂ることがすすめられます。
細胞は、内部にカリウムが多く、外部にはナトリウムが多いというミネラルバランスのときに、最も代謝がよくなり、細胞の中で起こる生化学反応が高まりやすくなっています。細胞内で生化学反応が起こるときには、カリウムが使われます。そして、細胞内のカリウムが減少したときに、細胞の外部にカリウムが豊富にあれば、細胞内にカリウムを取り込んで元の状態に戻ることができます。
ところが、細胞の外部にカリウムが少ないと、カリウムの代わりにナトリウムが取り込まれてしまい、ミネラルバランスが崩れて細胞の機能が低下することになります。また、カリウムもナトリウムも水分に溶け込んで細胞に取り込まれています。ナトリウムは余分に水分を取り込ませる作用があるために、ナトリウムが多い状態、もしくはカリウムが少ない状態では細胞が水ぶくれ状態になりやすく、これによっても機能が低下してしまいます。
カリウムは野菜に多く含まれています。血圧が高い人には野菜を食べることが推奨されますが、カリウムは生の野菜の細胞の中に多く含まれていて、野菜を煮ると細胞の中から出ていきます。カリウムは煮汁の中に含まれることになるので、煮汁ごと飲むか、生野菜で食べることがすすめられます。ただ、煮汁には味付けのために使われた塩が含まれていて、これを飲むとナトリウムを多く摂ってしまうことになります。
野菜以外のものでは、茶葉にも豊富に含まれていて、お茶を飲むことで取り入れることができます。水分とともにカリウムを補って、細胞の働きを正常に保つためには、お茶で水分を摂ることも効果があります。