関節痛の改善に効果があるコラーゲンの種類

コラーゲンは全身のタンパク質のうち30%を占めているもので、その主な役割は接着剤です。全身の細胞は約60兆個だと言われますが、細胞がバラバラにならないのはコラーゲンによって結びつけられているからです。コラーゲンが美容によいとされるのは皮膚の細胞を結びつけて弾力性を保つからであり、関節痛の改善に役立つとされるのはコラーゲンが関節の軟骨を結びつけるからです。
コラーゲン鍋は鶏のコラーゲンが多く含まれる皮や軟骨を加えたものですが、これを食べていれば美肌になったり、関節がスムーズに動くようになるのかというと、そう簡単にはいきません。食品のたんぱく質は胃で消化されてアミノ酸になり、小腸から吸収されます。コラーゲンはたんぱく質なので、アミノ酸になって吸収され、肝臓で必要なタンパク質に合成されます。だから、コラーゲンを食べても体内でコラーゲンになるとは限らないのです。
(たんぱく質は食品の成分、タンパク質は体内の成分という意味で使い分けています)
もう一つの問題は、コラーゲンのタイプです。一般にコラーゲンと呼ばれているのは皮膚、骨、腱などを構成するもので、これはⅠ型コラーゲンと呼ばれています。軟骨や関節のコラーゲンはⅡ型コラーゲンで、膝関節の動きを滑らかにして痛みを軽減しようとしたらⅡ型コラーゲンを摂る必要があります。Ⅱ型コラーゲンは鶏の鶏冠(トサカ)の成分でもあるので、サプリメントでは鶏冠を原材料にしたものが大半です。
このほかにⅢ型コラーゲンは臓器、血管、子宮で、Ⅳ型コラーゲンは皮膚の表皮と真皮をつないでいるものです。Ⅴ型コラーゲン血管、平滑筋、胎盤などのコラーゲンとなっています。コラーゲンは20種類があると言われていますが、型分けして主に使われているのは5種類です。
膝関節のためのコラーゲンはⅡ型コラーゲンとなっているといっても、サプリメントに加工するときに加熱すると変性して本来のⅡ型コラーゲンは異なった性質となります。そこで、Ⅱ型コラーゲンを使用したサプリメントは非加熱の非変性Ⅱ型コラーゲンを使用したものがメインとなっています。