食生活調査票でダイエットサポート

女性のカルシウム摂取不足は深刻です。平成11年(1999年)の国民健康・栄養調査で40代
の1日のカルシウム摂取量は540mgで、当時の推奨量の600mgに対して「10%も不足している」と、カルシウムをいかに摂ってもらうかの検討が始まりました。カルシウム不足は急に始まったことではなく、おそらく徐々に減っていったと思われますが、その証拠となるデータはありません。というのは、平成10年(1998年)までの調査では男女をまとめた年齢別の数字しか発表されていなかったからです。
調査自体は男女別に基礎データを取っているので調べ直せばわかるのでしょうが、今更それはできないということで、平成11年のデータから比較をして見ています。最新の平成28年(2016年)調査では40代の女性は439mgと現在の推奨量650mgに対して約67.5%と大きく低下しています。他の年齢も20代が約60.9%、30代が約67.5%、50代が75.5%、60代が83.5%、70代が88.5%と不足傾向は明らかで、年齢が低いほど充足率が低いことがわかります。ここでは省略しますが、男性も同様の傾向があり、どの年代も不足していることは違いがありません。
本当に不足しているのかという疑問もあって、全国民に調査しているわけではなくてモニター対象は2万6354人(平成28年)です。そこから得られた結果から国民全体に当てはめて推定しています。
調査の方法が正しいのかという疑問もあります。調査は平日の1日だけのメニューを出してもらい、そこから栄養量を計算しています。調査の日だけ普段より栄養を気づかったメニューにしている人もいて、わざわざ貧しい食事にしている人よりも多いはずです。
こういった方法ではわかりにくいので、日本メディカルダイエット支援機構では1週間分の食品の頻度調査を食生活調査票を用いて実施しています。主食は1日分の摂取量を聞いていますが、おかずは1週間に何回食べているのかを各項目を示してチェックしてもらっています。これで現在の食事の問題点と改善点が見えてきます。見えてくるのは指導する側だけでなく、チェックを行う方々も同じで、チェック項目にある食品を食べていないと、これは食べなければいけない食品であることに気づきます。
栄養学を理解している人なら、多くの食品と比較して1週間に2回食べるのがよいか、3回食べるのがよいかがわかりますが、栄養学の基礎がない人には、どうしてよいのかわからないというのが普通の感覚でしょう。そこで、チェック表を見て確認する人が指導しやすいように、チェック項目を赤・黄・青の3色で示したものを用意しています。3色の使い分けは、赤色が危険、黄色が注意、青色が安全(今のままでよい)というもので、信号の3色に当てはめています。
これを使って指導するときには、いきなり「こうしなさい」とは言わないようにしています。「チェックしてみて、どうでしたか」と聞くようにしています。すると、多くの方は改善点を口にします。そのほとんどは当たっています。では、具体的に、どう変えればよいのかというときになって3色のチェック結果を出します。赤から、いきなり青にするのは食生活を大きく変えなければならないことから、赤の状態は黄色に、黄色の状態になってから青の状態に変えることを指導しています。
この食生活調査票を使ってダイエットのための食事指導を行っていますが、最近では自分の食事の内容を確認するために食生活調査票だけを使わせてほしいという要望が増えています。