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正しい言葉の使い方を教えたい
NHKのアナウンサーは言葉のプロという感覚で見ているために、言い間違いはないという思い込みがあります。ところが、超有名なベテランのアナウンサーが「押しも押されぬ」と話していたときにはビックリしました。これは本人が勘違いしているのか、それとも原稿を読んでいただけなのか、そこのところはわからないのですが、正確には「押しも押されもせぬ」です。「押すに押されぬ」と混同しているのだと思われます。 この言葉
学習障害123 九分九厘は9.9%なのか
算数障害の改善のために計算の単位を説明していて、教えるほうが戸惑ってしまう、ということを聞くことがあります。%(パーセント)は百分率で、1%は100分の1となり、これは世界共通の割合です。ところが割合を示す言葉として、日本では割(わり)が使われ、これは10分の1の歩合となっています。割の10分の1は分(ぶ)で、分の10分の1は厘(りん)です。 戸惑ってしまうのは「九分九厘」という言葉です。ほぼ確
駄菓子を栄養学から考察してみた
駄菓子は二つに大きく分類されています。一つは郷土駄菓子と呼ばれるもので、麦、ひえ、あわ、豆などの雑穀を材料としたものです。今でこそ雑穀は希少価値から価格が上昇していますが、駄菓子が広まった江戸時代には安価な材料でした。全国各地に今も残る伝統的な郷土駄菓子としては、仙台駄菓子、会津駄菓子、飛騨駄菓子、姫路駄菓子などがあり、歴史的な街の名物の一つにもなっています。もう一つの定義は、高級な上菓子に比べて
あさってとしあさっての間の“ささって”の存在
約束をした日時を間違えないように、紙のカレンダーに書く、iPadとMacBookのカレンダーにも打ち込んでいくというように念を入れていますが、それでも心配になるときには家族に約束をしたことを話しておきます。このために家族に黙って、妙な約束を入れるということはできないのです。 その約束の日は、あさって、しあさってというように言われたときには、日にちで確認するようにしています。時間も3時と言われたら
発達栄養学123 肉が食べられない子どもの対応
肉は子どもが比較的好きな食材で、以前に比べると幼いときから肉に多く含まれる脂肪に慣れていることもあって、肉が食べられない子どもは減ってきました。しかし、食べられないことを訴える子どももいて、その対処のために苦労をしている保護者も少なくありません。肉が固くて、噛み切るまで時間がかかることが原因になっている場合には、まずは軟らかな肉、脂肪が多めで口の中で溶けやすいものを選びます。肉を焼く前には叩いて筋
健康寿命延伸のための提言50 提言のエビデンス7感染症4
国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第4回)を紹介します。 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、HTL
学習障害122 尺貫法について少し知っておこう
学習障害の算数障害の理解の一環として前回は尺貫法について触れました。この尺貫法を学習障害の困難さを紹介するために使ってみたいという声があり、もう少し尺貫法について説明させてもらいます。 尺貫法は、中国で発展した計算法で、中国から文化が伝わってきた古墳時代には尺貫法で建物や道路、古墳なども作られたと伝えられています。尺貫法は律令制度によって定着していきますが、長さの1尺(しゃく)はメートル法では3
“人生は一生勉強”の教え
「勉強をするのは学校だけではない、学校以外でも学び続けなければならない」ということを言い続けていたのは父でした。今では学校以外にも学習塾や習い事があって、これは学校以外ということになりますが、そのことを言っているのではなくて、卒業してからも学ぶことが大切という教訓的な話です。 私が健康関連の講習の最後の言葉として使っているのは、父の教訓ではなくて、学園ドラマの「金八先生」で主人公が卒業式のときに
発達栄養学122 野菜が食べられない子どもの対応6食物繊維の話
発達障害による極端な偏食のために野菜が食べられないという子どもは少なくありません。しかし、そのほとんどは特定の苦手な野菜があって、その苦手とすること(見た目、味、食感など)を料理で手を加えることで改善できます。ところが、中には野菜全般が食べられなくて、かろうじて食べられるのはイモだけということもあります。そのイモも食物繊維が多く含まれるサツマイモではなくて、食物繊維の量が少なめのジャガイモという例
健康寿命延伸のための提言49 提言のエビデンス7感染症3
国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第3回)を紹介します。 子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(