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長寿村の高齢者の食生活は正しいのか
長寿研究の元祖の地とされるのは“棡原村”です。合併によって今では山梨県上野原市棡原(ゆずりはら)となっていますが、長寿村として知られるようになったのは長寿者が多いことだけでなく、高齢者よりも先に亡くなる人が増えたことがきっかけでした。この“逆さ仏”、つまり親が子供の葬式を出すことが増えたことは、これまでの常識からすると特異なことであることから研究者に注目されました。 高齢者が多いか少ないかは全人
本当のことを言わなかったための悪循環
糖尿病の人が甘いものを食べていることを医師や栄養士に話すと叱られると思って、「食べているのは三食だけ」、「朝食のパンにジャムを少ししか塗っていない」、「おやつも食べていない」などと話すことは、よくあることです。それなのに血糖値が高くなっていると、栄養士は厳しい食事制限を指導します。患者にしてみれば、どんなに厳しく言われても、入院をしていなければ食卓まで押しかけてきて叱られるようなことはありません。
生涯医療費の半分は70歳以降で使われている
日本人の生涯医療費は約2600万円と膨大な額に達しています。厚生労働省の調査によると、その半分は70歳以降に使われています。男性の平均寿命が80歳とすると、わずか10年の間に1300万円が使われている計算になります。その要因の一つとして、健康寿命と平均寿命の差に当たる不健康な状態で長生きしている期間の長さがあげられます。この期間は寝たきり状態や家の近くしか歩けない状態、他人の助けがなければ自由に行
匂いも臭いも自律神経を強く刺激する
このコーナーで臭いの不快感の話を紹介しましたが、雑誌記者から「そんなに臭いに悩まされているのですか」とのメールが来ました。よほど環境がよいところに住んでいる人以外は、臭いは少なからず気になっているはずとの話をしましたが、雑誌記者らしく「なぜ不快な臭いがすると眠れなくなるのか」との質問がありました。臭いだけでなく、温度、湿度、光、音など不快な状態では眠れなくなります。眠りにつけたとしても深い眠りが得
加熱によってEPAは減少していく
血液サラサラ成分のEPA(エイコサペンタエン酸)は青背魚に多く含まれているものの、調理法によって含有量が低下していきます。EPAなどの不飽和脂肪酸は加熱によって破壊されやすく、そもそも不飽和脂肪酸は酸化しやすくなっています。青背魚に多く残っていたとしても、酸化していたのでは仕方がありません。 脂肪酸には肉類に多い飽和脂肪酸と魚類や植物油に多い不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は他のものと結びつか
植物性のEPAは何が材料なのか
EPA(エイコサペンタエン酸)は青背魚に含まれる不飽和脂肪酸で、血液サラサラ成分であることら血管の疾患が気になる人はEPAを多く摂るように、青背魚のサンマやイワシ、アジ、カツオ、マグロなどを食べることがすすめられています。EPAは動物の体内では作られません。人間の身体の中にも、私たちが食べている獣肉類にも含まれていません。ということは、青背魚が食べたエサにEPAが含まれているわけで、それは何かとい
一番の不快な刺激は嗅覚で感じる
人間の五感の「視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚」のうち最も多くの情報を得ているのは視覚で、五感のうち80%以上を占めているといいます。同じものを味わっても、視覚を遮られると味覚が狂ってきます。目隠しをしてスイカを食べるとウリ(瓜)にしか感じないという人も少なくありません。視覚の記憶によって味覚を補って、スイカはスイカの味を感じることになります。 味覚は、「蓼食う虫も好き好き」という諺があるように、一
アスピリンは解熱にも血栓防止にも使われる
医薬品は一定の目的のために開発されるものであって、他の目的で使うものではないというのが原則です。中にはバイアグラのような例外もあり、元々は心臓病治療のために開発されたのに、治験段階で皆さんが知っているような強壮効果があることがわかり、そちらのための医薬品となりました。そもそもの開発目的と違ったといっても、バイアグラを、さらに別の目的で使用するということではありません。ところが解熱鎮痛剤のアスピリン
ストレスだけで胃潰瘍になるのか
胃が痛くなるのはストレスが原因だ、とよく言われます。確かにストレスが溜まってくると、自律神経の交感神経の働きが盛んになることで胃液の分泌量が減ります。そのために消化が充分に行われなくなり、胃に負担がかかるようになって胃炎につながるようになります。胃潰瘍もストレスが原因とされますが、今では別の原因があって、それにストレスが加わって胃潰瘍が起こることがわかってきています。その原因というのはヘリコバクタ
心疾患リスクのタイプAとタイプBの違いとは
心疾患のリスクというと、高血圧、糖尿病、脂質異常症など血管に影響を与える生活習慣病があげられます。これらの生活習慣病の発症は、「生活習慣」と名づけられているくらいだけに、食事や運動の内容に大きく左右されています。血圧を上昇させる作用がある塩分(ナトリウム)の取りすぎ、血糖値を上昇させる作用がある糖分(ブドウ糖)の取りすぎ、中性脂肪値を上昇させる脂肪の取りすぎなどが具体的な注意点となっているわけです