091 小児期メタボリックシンドロームとは

大人のメタボリックシンドロームの診断基準については比較的知られていますが、小児期(6〜15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準は、あまり知られていないようです。16歳以降は大人の診断基準となります。その診断基準は腹囲が男性は85cm以上、女性が90cm以上になった場合に、検査数値の中性脂肪値が150mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たしている、収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上の片方か両方を満たしている、空腹時血糖値が110mg/dl以上となっています。
小児期メタボリックシンドローム診断基準は、腹囲は小学生が75cm以上、中学生が80cm以上、もしくは腹囲を身長で割った数値が0.5以上になった場合に、中性脂肪値が120mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たしている、収縮期血圧が125mmHg以上、拡張期血圧が70mmHg以上の片方か両方を満たしている、空腹時血糖値が100mg/dl以上となっています。
この診断基準が発表されるまでは小児期の肥満度は実際の体重から標準体重を引いた数値を標準体重で割って、これに100をかけて計算していました。
「肥満度(%)=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100」
この計算式によって、幼児では15%以上が肥満児、学童期以降では20〜30%が軽度肥満、30〜50%が中等度肥満、50%以上が高度肥満と判定されていました。
メタボリックシンドロームは内臓脂肪が増えすぎることで血管系の病気のリスクが大きく高まります。若いときから血管や全身の器官にリスクを抱えた状態で生きていかなければならないということを避けるように、小児期メタボリックシンドロームについて知っておいてほしいのです。