297 子供のためのヒトケミカル

代謝促進成分のヒトケミカルは細胞の中のミトコンドリアというエネルギー産生の小器官で必要な成分です。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれていて、これが不足すると代謝が低下するので体内で合成されています。そのピークは20歳なので、若い年齢層にはサプリメントで摂取する必要がないことになります。では、本当に必要がないのかというと、サプリメントを摂取しないといけない場合もあります。それは三大ヒトケミカルを体内で合成するために必要な材料に当たる成分が不足している人です。
材料さえ摂れていれば体内で合成されるので、サプリメントを摂る必要はない、というのは正論ですが、肝心な材料が不足している人を調べると、若い女性、中でもダイエットのために食事量を減らしている人と合致しています。若いのに三大ヒトケミカルを摂っているとしたら、相当にエネルギーが必要となるアスリートか、材料が不足している人ということになります。
偏食というと、単なる好き嫌いと思われがちですが、感覚過敏のために食べられないという子供がいます。一般には発達障害と呼ばれています。発達障害では味が混ざって気持ちが悪い、熱いものは食べられない、冷たいものは食べられない、刺激があって食べられない、濃い味は食べられない、ということが見受けられます。また、揚げ物は衣がチクチクするので衣が食べられない、コロッケの中身はヌメヌメして食べられない、キノコはプラスチックみたいな舌触りで食べられないなど、初めは食べにくくても食べているうちに徐々に食べられるようになる、という普通の食事の発達ができないということが起こります。
三大ヒトケミカルの材料については、「メディカルダイエット」の298(α‐リポ酸)、299(L‐カルニチン)、300(コエンザイムQ10)を参照してください。