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代謝科学61 エネルギーは体熱を高めることで多く作られる

全身の細胞を働かせるためには、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)があって、細胞のエネルギー産生器官のミトコンドリアに取り込まれれば、エネルギーが発生するわけではありません。ミトコンドリアでエネルギーを作り出すためには、生化学反応を効果的に起こすための酵素が必要になります。 体内の酵素が働くためには一定の温度が必要で、その温度を保つことが全身の細胞を正常に働かせて、身体機能を整えることがで


代謝科学60 エネルギーがエネルギー代謝を進める

身体のエネルギー代謝は、飲食によって摂取したエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が消化・吸収されて、それぞれブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸に分解されてから細胞の中のミトコンドリアに取り込まれるところから始まります。 ミトコンドリアで発生したエネルギーは、その細胞の中だけで使われます。電気のようにほかに流れていくことはありません。 神経細胞は長い形をしていて、端まで伝えられた電気信号に応じ


代謝科学59 代謝で発生するエネルギー量

細胞の中にあるミトコンドリアでは、エネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)を原材料としてエネルギー産生が行われています。 エネルギー産生はミトコンドリアのTCA回路で酸素を使って行われると一般には紹介されていますが、実際にはミトコンドリアの中でTCA回路を使わなくてもエネルギー産生は起こっています。 ただ、その産生量は少なくて、ブドウ糖1分子から2分子のATP(アデノシン三リン酸)が


代謝科学58 ミトコンドリアの役割

全身の細胞の中でエネルギー産生を行うミトコンドリアは、糸を意味するミト(mito)と顆粒を意味するコンドリア(chondoria)から作られた用語です。 直径は0.5μm、長さは球形、筒状、紐状などの近いで異なりますが、最も長いもので10μmとなっています。 1μm(マイクロメートル)は1000分の1mm(ミリメートル)なので、いかに小さいかがわかります。 小さくても数が非常に多


代謝科学57 作られたエネルギーの使い道

エネルギー代謝によって作り出されたエネルギーは、基礎代謝、活動代謝、食事誘発性熱産生代謝の3種類のルートで使われます。使われるエネルギーの割合は、発生したエネルギー量や個人差によって違いはあるものの、ほぼ割合は決まっています。 その割合は一般には基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、食事誘発性熱産生代謝が約10%とされています。 基礎代謝は、生命を維持するために使われるエネルギーのこ


代謝科学56 代謝とは何だろうか?

人間の身体の中でエネルギーを作り出し、作り出されたエネルギーを効率よく使っていく一連の流れは「代謝」と呼ばれています。代謝という用語は、「年齢を重ねると代謝が低下する」、「代謝が低下すると同じ食事と運動をしても太っていく」というように使われますが、そのときの代謝は“エネルギー代謝”を指しています。 代謝は、エネルギー源からエネルギーを作り出す異化と、作り出されたエネルギーを用いて身体に必要な


代謝科学55 エネルギー源とエネルギーの相互関係

体内で発生するエネルギーは、飲食で摂取したエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料として、全身の細胞の中で作り出されています。作り出されたエネルギーを使って、身体を構成する成分を作り出したり、身体を働かせていますが、それによって再びエネルギー源をエネルギー化させています。 その仕組みを知って、健康の維持と増進のために何をすべきなのか、効果的にエネルギーを作り出して活用するためには何をすれ


代謝科学54 エネルギーの基本について知ろう

エネルギー(Energie)は、「仕事をすることができる能力」を指しています。 これは自然界での出来事も、発電などの作業も、そして身体の中で発生するエネルギーについても同じように考えることができます。 身体のエネルギー代謝を理解して、その促進と有効活用のためには、基本的なエネルギーについて知ることが大切だと考えています。 エネルギーそのものは目で見ることはできないものです。しかし


代謝科学53 体脂肪1kgはマラソン3回分の根拠

長らく事実のように語っていると、いつの間にか根拠を求められることがなくなり、説明する機会もないということがあります。その卑近な例として、ここで説明しておかないといけないと思ったのが、「フルマラソン1回2400kcal」という数字です。 2400kcalというと、1日に必要な摂取エネルギー量(といっても成人男性)に相当します。これは個人差が大きくて、“だいたいそんな感じ”というくらいで、あまり


代謝科学52 リバウンドによる“スリム型肥満”

小児肥満というと、一般には見るからに太っている子どものことを指すときに使われる用語ですが、中には見た目はスリムで、どう考えても肥満ではないという状態であるのに、体脂肪計(体組成計)で測定すると肥満の領域となっている子どもがいます。医療業界では“スリム型肥満”と呼ばれています。 成長期の子どもは、内臓も筋肉も成長していますが、同時に体脂肪も増えていきます。特に女性は、成長して女性らしい体つきに