プロポリスからわかる働かない働き蜂

週刊誌の記者とプロポリスの話をしていたときのこと、「プロポリスはブラジル産と国産(日本産)は抗菌力が違うんですか」と聞かれました。このことについては、このコーナーで前にも紹介していますが、健康食品の効き目は有効成分の質と量で決まってきます。ブラジル産のほうがアマゾン流域は菌が多い環境であることから、蜂の巣を守るプロポリスの抗菌力はブラジル産が優っています。それだけでなく、蜂の行動範囲に何があるかによっても質が違ってきます。行動範囲に自然の木しかなければ、そこからプロポリスの材料の樹液を集めてきます。しかし、ニスを塗った建造物やアフファルトがあると、巣を守るための材料として、そこからもネバネバ成分を集めてくるので、それがプロポリスと混ざることになります。
こうなると有効成分の量が減り、質も低下します。日本は狭いので、どうしても行動範囲に人工物があるわけですが、広大なブラジルや中国であっても人工物の近くで養蜂をしているところはあるわけで、産地というよりも収穫している場所が重要になります。
なぜ、他のものを集めてくるのかというと働き蜂はすべてが働き者ではなく、20%ほどは働くのが好きではない“働かない蜂”がいます。「では、働かない蜂を除去したら全部が働き蜂の巣になるのでは」と聞かれましたが、そうやっても20%ほどがいつの間にか働かない蜂になります。どうも働かない蜂は必要な存在のようで、全部が一生懸命に働いていると不測の事態が起こったときに対応できなくなるので、“予備群”のようなグループを作って備えておく本能的な仕組みと考えられます。
これは人間の社会も同じようで、働きがよろしくない人をクビにして、全員が働き者の集団にしたつもりでも、蜂と同じように20%ほどは働きがよくない人になっていきます。「だから自分は必要な存在」と言い出す人がいそうですが、会社や団体では、そういった天災みたいなことは起こりにくく、サボる口実には使えないようです。
それよりもプロポリスの例のように、働くのが好きでない蜂が怠けて人工物から集めようにも、それができない環境づくりが必要なようです。
プロポリスについては、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。