発達障害者は社会的障害に向き合うチャレンジャー

「発達障害は障害ではない」と日本メディカルダイエット支援機構は事あるごとに主張しているのですが、これが通じにくい理由は固有名詞にあります。発達障害は病名になっていて、法律名でも発達障害者支援法となっています。障害という名称を使うなら、障害者の一定の雇用を義務づける障害者雇用促進法にも発達障害者を入れてほしいところなのですが、他の障害もないと発達障害だけでは対象者とはなっていないのが現状です。
障害者が「障がい者」と表記されることについて以前に紹介しましたが、あえて“障害”を使っているのは、障害があるのは社会側であって、障害者を障害者たらしめているのは障害者が暮らしにくい状況を作り出している社会のほうで、社会の理解と受け入れ体制が充分でないことが“障害”であるということを説明しました。
発達障害者は全人口の約10%と推計されています。これだけ多い上に、男女差では男性のほうが圧倒的に多くて、女性の2.4倍にもなっています。これで計算すると男性の発現率は14%にもなります。これは男女共同参画の時代には適切な表現ではないことは承知していますが、社会の働き手で多くを占める男性の発達障害が多いということは、今後の社会を支えるための大問題となります。
ひきこもりの約30%は発達障害者との調査結果もあり、発達障害者は世の中に出ていかない、受け入れられにくいという印象があるかもしれませんが、IT社会の進展もあって、発達障害者の中でも自閉症スペクトラム障害は集中力、持続力、こだわり、几帳面さという特性があり、これを活かす仕事選びをすれば優れた能力の集団とすることができます。
その優れた能力を発揮して、社会的な障害に向かい合う挑戦者(チャレンジャー)となるためには、まずは社会的な理解が必要であり、受け入れてもらえる環境づくりのために、私たちは発達障害の理解を進めるところからチャレンジしています。