013 食生活調査票によるメディカルダイエット

メディカルダイエットを基本としたダイエットを始めるときには、まず食生活調査表による食事調査を実施します。これは日本臨床栄養学会の前理事長の板倉弘重先生(医学博士)の監修によって完成させたもので、食事で食べている食品の1週間の頻度を調べるものです。食生活の調査というと食べたメニューを記載したり、メニューに使った食材を記入して、そこから1日に摂った栄養素を推定するというのが一般的です。それに対して食生活調査票は、選択肢の中からチェックする方式によって1週間に食べた食品の摂取回数を聞いています。これによって何回食べたかの頻度を調べています。メニューから頻度を知るのではなく、頻度を直接聞き出しているのです。
食傾向というのは、なかなか変えることができません。少し指導をされて変えられるくらいなら、ダイエットにしても、メディカルダイエットの手法が得意とする生活習慣病にしても、それほど苦労をすることなく目標に近づくこと、目標を達成することができるはずです。ところが、そうではないことが多くの人がわかっています。その目標に近づけない大きな理由として、私たちは自分の食傾向が把握できていないこと、どこを改善してよいかが見えていないことをあげています。
この食生活調査票を使うことのメリットは、聞き取りをする側だけでなく、される側の両方にあります。される側、つまりメディカルダイエットに取り組む人のメリットは、食生活調査票の各項目をチェックしているうちに、自分の食傾向がわかり、改善点もわかるように作られていることです。そのため、チェックが終わった食生活調査票を使って行う食生活指導は、こちら側から発言するのではなく、初めにチェックをつけながら、どう感じたかを聞いています。すると多くの人が「これは食べたほうがよい」「もっと食べたほうがよい」「減らしたほうがよい」ということを言ってくれます。
実際につけてもらうチェック項目は単色ですが、指導時に示すものは3色になっています。信号の色と同じで、赤色を青色に変えるのは食事内容を大きく健康することになるので無理も生じます。そこで赤色は黄色に変えて、それが続けられる状態になってから青色に変えていきます。これが日本メディカルダイエット支援機構のモットーの「無理なく無駄なく」に合致した食生活指導の基本です。