028 脂質代謝とL‐カルニチン

脂肪と一般にいうと中性脂肪を指しています。中性脂肪は動物の体内にある脂肪の形態で、脂肪酸3個をグリセロール(アルコールの一種)1個が結びつけています。食肉に含まれる脂肪も人間の脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪も、そして血液中の脂肪も中性脂肪となっています。
エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質の3種類ですが、中性脂肪が脂肪細胞の中に保存用のエネルギー源として蓄積されるのは脂肪酸のエネルギー量が1gあたり約9kcalと、糖質(ブドウ糖)、たんぱく質(アミノ酸)の約4kcalに比べると2倍以上となっていて、効率がよいからです。余分に食べると脂肪細胞の中に蓄積される体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)が増える理由ともなっています。
脂肪酸が細胞内のミトコンドリアに取り込まれるためにはミトコンドリアの膜を通過しなければなりませんが、脂肪酸は単独では通過できず、L‐カルニチンと結びついて通過します。L‐カルニチンが不足するとミトコンドリアに取り込まれる脂肪酸の量が減り、太る原因になると同時に、ミトコンドリア内で作り出されるエネルギー量が低下することになります。
L‐カルニチンは他の三大ヒトケミカルと同様に、体内で合成されるものの20歳をピークに減少し続け、加齢につれて代謝が低下していく要因となっています。医薬品成分から食品成分としての使用が許可されており、サプリメント成分として補い、脂質代謝を高めることができます。