なぜ農薬は人間の細胞にダメージを与えるのか

日本人の体質の弱点をカバーするためには、それぞれの弱点となっている臓器や器官の働きに注目して、その対策を講じることも大切ではあるのですが、最も重要で根本的な対策はすべての細胞の一つひとつを正常に働かせることです。そのためには細胞の働きに必要な栄養成分が充分に取り込まれるようにすることと同時に、細胞の働きを低下させるようなものは、できるだけ体内に入れないようにすることが求められます。
食品に含まれている身体に害を与える可能性が高い物質は思ったよりも多くて、しかも細胞にまで影響を与えやすくなっています。特に食品の中でも根菜類や葉茎菜類など農産物に含まれる栄養素が減っている実態を見ると、細胞がかなりのダメージを受けていることがわかってきます。
農産物を栽培するときに使われる農薬や抗菌剤は、細菌などの細胞を破壊することによって駆除の効果が高められています。細菌は1個の細胞で活動している単細胞です。人間は60兆個以上の細胞で構成されているわけですが、細胞一つひとつを見ると細菌も人間の身体も同様に考えることができます。
人間の身体は細胞の数が非常に多いために、農薬が残留している食品を食べたからといって、すぐに健康に影響が出ることはないものの、影響を受けて本来の機能が低下している細胞が少なからずあるのは事実です。長い期間にわたって農薬が体内に侵入し、徐々に影響が大きくなっていくことも当然に考えられることです。
オーガニック思考の高まりから無農薬、減農薬への関心が強まっています。無農薬というのは農薬を使わずに野菜などを栽培することで、残留農薬による健康被害が広く伝えられるようになってから強い関心が示されるようになりました。減農薬というのは、今まで使用していた農薬の量を減らすことで、概ね5割以下にした場合を指しています。しかしながら、その地域で過去に使用していた農薬の量が多ければ、それだけ残留量が多くなっていることも指摘されています。