マグネシウムとカルシウムのバランスが崩れると足がつる

足がつるというのは筋肉の収縮バランスが崩れて、引っ張る必要がないときに筋肉が強く引かれて、そのまま戻らない状態を指します。筋肉に負荷がかかったあとには寝ているときに足がつることがありますが、運動もしていないのに症状が起こるとなると、マグネシウムとカルシウムのバランスの崩れが考えられます。カルシウムには筋肉を収縮させる作用があり、マグネシウムには筋肉を弛緩させる作用があります。汗をかくとナトリウムとともにマグネシウムが皮膚から排泄されるので、マグネシウム不足になります。夏場の運動のあとに足がつる原因にはマグネシウム不足も考えられます。
マグネシウムの1日の摂取量は国民健康・栄養調査によって調べられています。平成29年の調査では、男性は15〜19歳が244mg(必要量は290mg)、20〜29歳が218mg(340mg)、30〜39歳が234mg(370mg)、40〜49歳が239mg(370mg)、50〜59歳が262mg(350mg)、60〜60歳が285mg(350mg)、70〜79歳が287mg(320mg)、80歳以上が269mg(320mg)と、どの年代においても大きく不足しています。
女性は15〜19歳が201mg(310mg)、20〜29歳が190mg(270mg)、30〜39歳が203mg(290mg)、40〜49歳が213mg(290mg)、50〜59歳が237mg(290mg)、60〜60歳が262mg(290mg)、70〜79歳が265mg(270mg)、80歳以上が229mg(270mg)と女性においても、どの年代においても大きく不足しています。
カルシウムも不足しがちなミネラルではあるものの、年齢を重ねると増える傾向があります。それに対してマグネシウムは必要量に比べて、大きく不足しています。国民健康・栄養調査は一部の抜粋調査ではあるものの、国民的な栄養の変化を反映してきたものだけに、大いに参考にすることができます。マグネシウムは大豆(大豆製品)、貝類(あさり、はまぐり、)、海藻(わかめ、ひじき、こんぶ)などに多く含まれています。マグネシウムを多く摂取している人は心筋梗塞のリスクが低いというデータもあって、これも筋肉の収縮のバランスと関係しているようです。