優先させるのは昼寝かウォーキングか

免疫を高めるには自律神経の副交感神経の働きを盛んにするのが重要で、そのために一番よいのは昼寝で、次がウォーキングだという話を前回取り上げたところ、あちらこちらから効果的な昼寝とウォーキングの方法についての問い合わせがありました。中には、免疫強化のためには身体を動かさずに昼寝をしたほうがよいのか、それとも昼寝をしないで歩いたほうがよいのかという質問もありましたが、どちらがよいかというよりも、どちらもやってほしいというのが私たちの考えです。
効果的な昼寝については、さまざまな意見があるものの、免疫の強化ということでは30分間の短い昼寝を13〜15時の間にするのがよいという研究成果があります。この時間帯に寝るということは、まさに昼寝で、おなかが満たされた昼食後に身体を休めるタイミングで免疫を高めようということです。食事のあとに運動をしないほうが、消化を助け、栄養の吸収をよくすることになるので、一理ありです。
ウォーキングについては、特に時間帯と歩く時間、距離については報告されていないのですが、適度な運動は身体に負荷をかけすぎずに血流を盛んにして、免疫を高める効果があります。しかし、歩くだけであっても負担をかけすぎるのは、かえって免疫を低下させることになります。その歩数ですが、免疫強化によいのは1日に8000歩ほどで、これが1万2000歩になると身体の負担が強くなり、関節や筋肉を傷めることにもあるので、免疫に関してもよくないということは普通に想像できることです。
ウォーキングの時間帯としては、日本メディカルダイエット支援機構では、食事前の空腹期間を基本としています。空腹時に有酸素運動をすると、すぐにエネルギーとなるブドウ糖が不足して、筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解してブドウ糖となります。そのあとに食事をすると、肝臓でブドウ糖から合成されるグリコーゲンが増える分だけ、血糖値が急上昇しにくくなります。これはメディカルダイエットのプラス効果ですが、あまり血糖値が上昇しすぎていない状態で昼寝をすることは昼寝の間の脂肪合成も減るので、これもプラス効果があることになります。