座ってばかりいると血流量が減る

高血圧症や糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)になると運動をすすめられます。これは血液中のブドウ糖や中性脂肪を減らして血管を丈夫にしようというだけでなくて、血流を盛んにするためのことでもあります。高血圧症、糖尿病、脂質異常症は、どれも血管の老化を進めることなので、進行するほど血流が低下します。それを改善するために、血液サラサラ成分を摂ったりする人もいるのですが、血流を盛んにするという成分を摂って、それでゴロゴロしていたら効果は望めなくなります。身体を動かさないことには血流は盛んになってくれないのです。
立っているときと比べると、寝そべっているときには血流量は30%ほども低下します。身体を動かしているときと比べているのではなくて、立っているだけで何もしていない状態との比較です。立っているだけで心臓よりも上に血液を送り出さないといけないので心臓の働きが高まって血流が盛んになります。心臓よりも下の方はというと重力の関係で足に向かっては勢いよく進むのですが、下から上がってくるのに普段の心臓の力だけでは不足します。そこで立っている場合にも心臓の働きが高まって血流が盛んになります。
ただ立っているよりも、普通に歩くだけでも脚の筋肉が収縮して血管が圧迫されて血液は上へ上へと送られていきます。血流を盛んにするには普通に歩くだけでもよいことになります。サラサラ成分を摂るよりも歩くことが第一です。歩けないなら立つようにするということになるわけですが、立ちっぱなしでは脚がむくむようになります。これは脚の筋肉の収縮が少ないために、血液が上へと引き上げられず、血液が上がっていくときに血管の外から一緒に引き上げられる水分が血管の外の細胞の周りにたまっているからです。
これを解消するには、ふくらはぎのマッサージ、青竹踏みなども効果はあり、もちろんウォーキングも効果はあるのですが、一番に効果が認められているのは屈伸運動です。脚の筋肉を大きく動かすことによって血管が強く刺激されて、血液が勢いよく押し上げられ、水分が引き上げられていきます。それと同時に全身の血流が盛んになるので、血流が弱まっていると感じたときには、積極的に屈伸運動をやるようにします。そして、血流が高まった状態で歩くのが最もよい方法なので、ウォーキングの前の準備運動の一つに屈伸をすすめています。