感染拡大から考える正しいマスクのつけ方

「感染防止にマスクは効果がない」という声があります。他人からの飛沫感染を防ぐためにはマスクは効果がない、ということで、感染した自分から他の人に感染しないようにする効果は間違いなくあります。というのは、くしゃみをしたときに飛沫の飛び散る範囲を狭くすることができるからです。マスクなしでのくしゃみの飛沫は2mも飛散するのに対して、マスクありだと1m以下になるという程度の効果ではあるのですが。
この話は、マスクを正しく使った場合のことで、マスクの表裏が間違っているとマスクが顔に密着しにくくなります。表(外側)と裏(口に触れる内側)がわかりやすいように、表に模様やマークがついているものもありますが、表も裏も色も同じ、形も同じというわかりにくいものがあります。よく見ると違っているのは耳にかける紐のついている位置だけです。
紐がつけられているのが内側だと思っている人も少なくないのですが、紐がついているのは外側です。紐が外側についていることで、マスクの端を引っ張って、マスクが密着するようにしています。それなのに逆につけたら、隙間があいて、ウイルスが通過しやすくなります。
表と裏を間違わないようにしても、今度は上下が間違っている人もいます。今どきのマスクはノーズピースがついていて、これを鼻の形に合わせてフィットさせることで上側からのウイルスの通過を抑えることができます。このように表裏、上下を間違えずに正しくつけてこそのマスクの効果です。
正しいマスクの使い方を紹介してもらっても、肝心のマスクがないではないか、という声に対しては、マスクの増産が進んで、少しでも早く購入できるようになってほしいと今のところは願うことしかできないようです。といっても、せっかく増産したマスクを企業が大量に購入して海外に送って利益を得よう、その企業に先に売って利益を得ようという製造会社に悔い改めてもらわないことには、どうしようもない状況ではあるのですが。