日本人の女性はやせすぎている

これまで体重と健康について語られるときには、肥満のほうが主になっていました。しかし、若い世代では肥満は少なく、それよりもやせのほうが問題となっています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年)では、肥満者の割合は男性が33.0%、女性が22.3%となっています。年齢層別にみると、男性の20歳代は23.1%、30歳代は29.4%、40歳代は39.7%で、女性の20歳代は8.9%、30歳代は15.0%、40歳代は16.6%と、女性のほうが少なく、若い年代ほど太っていないことがわかります。その分だけやせすぎている女性は多いわけで、やせは健康面でも問題があります。やせの基準は、BMI(Body Mass Index)が18.5kg/㎡以下となっています。身長が160cmなら約47kg、155cmなら約44kgとなります。
世界的にみると、やせすぎは低栄養の指標のようなものです。やせの女性の国際比較は2016年にまとめられていて、その後は実施されていないために、これが比較データとして使われています。
その結果をみると、日本は9.3%と先進国の中では最も多く、フランスが2.8%、カナダが1.8%、アメリカ、ドイツ、オーストラリアが1.7%、イギリス、イタリアが1.6%となっています。その差は、あまりに大きいといえます。
この逆で、やせの割合が最も高いのはインド23.7%、バングラディシュ22.8%、ベトナム17.9%、パキスタン14.4%、カンボジア13.8%、フィリピン13.5%、インドネシア12.4%と続き、その後に日本の9.3%が続きます。経済発展をするほど多く食べるようになるということはあるのですが、インドの場合は経済発展をしているといっても貧富の差があり、温かいために体温を高めるためのエネルギーが少なくて済むという要因があります。1日に必要な摂取エネルギー量のうち、約半分は体温維持のために使われています。
日本と同じなのはナイジェリアの9.3%、これに次ぐのはシンガポール、タイの7.9%、マレーシアの6.8%、香港の6.7%、台湾の6.3%、中国の6.1%、韓国の5.2%、スイスの3.2%となっています。